09

「なにしてるの?」


その声に私と柴原さんはそのまま崩れるように床に寝そべった。

そのまま寝たふりをする。

そうだった、隣の部屋ですずがお昼寝していたんだった。

起きたときに私がいなかったから、一人でリビングまで出てきたのだろう。


「んー?寝てたよー?」


我ながら苦しすぎる言い訳だが、それ以外にどうしろというのだ。


「あれ?パパ?」


「ただいま、すず。」


柴原さんも何事もなかったかのように起き上がり、すずを抱っこした。

抱っこされたすずはキャアキャア喜び、この光景に特に疑問を持っていないようだ。


はーーーー心臓に悪い。

流されるな私!


バクバクする心臓を押さえながらこっそりと胸を撫で下ろす。

柴原さんと目が合うと、眉を下げて苦笑いをしていた。


うん、この状況、苦笑いするしかないよね。

私もひきつった笑みで返した。

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