10
保育園から書類をもらった。
すずを通わせている保育園は、基本的に両親共仕事をしていないと入れない保育園だ。半期に一度、就労証明書と保育所利用状況申出書を提出しなくてはいけない。
就労証明は私と柴原さん各一通ずつ必要で、自分の勤めている会社に証明をもらう。
そしてもう一枚、保育所利用状況申請書。
これは各家庭一枚の提出になっている。
「これは……どうしよう。」
すずが寝てから、私はリビングで書類を前にして頭を抱えた。
家族構成を書く欄があり、続柄のマスで私の手は止まっている。
柴原さんは【父】
すずは【本人】
私は【叔母】
「どんなっ?!」
いや、紛れもない事実なのだけれど、これを書いて保育園に出すのが何故か憚られた。
何だろう、何となく嫌というか、気持ち悪いというか、モヤっとするというか。かといって今すぐに柴原さんと結婚とか、いくらすずのためとはいえ気持ちがついていかない。
「ないわー。」
私は大きなため息をついた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます