08
「寝癖直る?」
「んー、直らないね。」
柴原さんは可笑しそうに笑う。
「いいじゃん、可愛いし。」
「嫌だよ。濡らしてくる。」
「じゃあ俺と一緒にシャワーしよ?外暑かったから汗だく。」
「……一緒に?」
ひきつった私と対照的に柴原さんは意地悪そうな顔をする。以前も無理やりお風呂に連れていかれたことがあるが、そのときはすずもいたし、すずに隠れるようにしてささっと洗い、ロケットのごとく飛び出した。あの時も相当緊張したし恥ずかしかった。
「……恥ずかしいから嫌だよ。」
「すず寝てるし、いいじゃん。」
とたんにドキッと心臓が鳴る。
だって、だって、それって……。
「そんなに真っ赤な顔されるとこっちが恥ずかしくなるんだけど?」
「だって!」
「可愛すぎてヤバイな。」
真っ赤な顔で柴原さんを見ると、長くて綺麗な指が私の頬に触れる。そして顎を持ち上げられたかと思うとキスをされた。
少し離れて、また唇に触れる。
チュッと甘い音をさせながら、柴原さんが私をゆっくりと押し倒した。
ドキドキと心臓が音をたてる。
目の前にいる柴原さんは私を見つめる。
その眼差しがとんでもなく色っぽい。
ふいに服の下に手が延び、ビクッと体を震わせたときだった。
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