05

いつもの公園には広場と遊具がある。

二歳のときはお散歩したり虫を追いかけたりしていただけだったのに、最近では遊具にも興味が出たようだ。


短い手足であっちこっち登ってみたりぶら下がってみたり、その度にキャアキャア言いながら遊ぶすず。


私はすずが落ちたり転んだりしないか気が気じゃない。ちょこまかと走り回るすずについて回り、私の方が疲れてしまった。


「すずー、そろそろ帰ろうか?もうすぐお昼ご飯だよ。」


「えー?やだー!まだあそぶー。」


「じゃああと一回滑り台したら帰ろう。」


「うん!」


すずは上機嫌で滑り台をすべりおりる。

さあ帰ろうと手を伸ばすと、するりと抜けてまた滑り台の階段を上り始めた。


「すず!一回だけって言ったでしょ?」


「まだやるー!」


このくだりを何回やったかわからない。

とにかく、なんとか家に帰れた頃には私はぐったりしていた。


私もまだ若いと思っていたけれど全然だった。

三歳児の体力恐るべし。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る