06

汗だくになったので二人でシャワーを浴びる。

そこでも遊びだそうとするのだから、私には疲労感だけたまる。


「今日は水遊びはしないのー。」


「えー。おみずでバシャバシャしたいもん。」


「じゃあご飯なしだよ。」


「やだー!」


何とかすずをいなしながら服を着せる。

そしてすぐにご飯作りだ。

本当に、子育てに休みはないんだなと実感させられる。


お昼ごはんを食べる頃には、もうすずはうとうととしていた。あれだけはしゃいで遊びまくったのだ、眠くもなるだろう。


ご飯もそこそこに寝てしまったので、仕方なくすずを布団に運ぶ。

口にまだ食べ物が入ったままだったので私はこじ開けて出そうとしたのだが、口を触ったとたん、思い出したかのようにモグモグと食べ出した。


「……寝てるよね?」


寝ながらもきちんとゴクンと飲み込むのを確認して、私は安堵の息を吐き出す。


すずの寝顔は可愛い。

柴原さんはすずの寝顔は自分の子供の頃にそっくりだと言っていた。

確かに、柴原さんの面影に似ている。

起きているときの目はお姉ちゃんに似ていると思っていたけれど、目を閉じるととたんに目尻の辺りが柴原さんにそっくりだ。


「なんか不思議な感じ。」


すずの寝顔を見ながら、私も知らぬ間に眠りに落ちていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る