02

 何もやる気が起きなくて、しばらくひとりでしては寝るという生活を送った。


 仕事もやめた。彼の死亡手当てが降りたらしいけど、気にはならなかった。もともと、えっちなサイトで何かを買う以外に趣味はない。彼と付き合ってからは、自分の給金はそのまま放置していた。普通に暮らせる。


 ちゃんとバスタオルを敷いて、ひとりでする。どんなえっちなものを見ても、結局、その瞬間に思い出すのは彼の顔。


 敷いたバスタオルがびちゃびちゃになるまで、続ける。最後は、気絶したみたいに横たわる。


 なんとなく、彼の名前を呼ぶ。出てきてくれないかな。幽霊とかでもいいよ。


 出てこない。そりゃあそうか。死んだもんな。


 起き上がって、バスタオルを洗濯機にぶちこんで、ベッドに潜り込む。


 朝なんて、来なければいいのに。

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