第11話 ときめきの洪水
僕は初めてのデートから帰り、そして翌日に美鈴さんに会ってからも、有頂天にいるような気分で、毎日楽しい学校生活を送っていた。
朝学校に行くと、学生ホールで早くから待っていた彼女が手を振って僕を迎えてくれるし、週に何日かは一緒に図書館で待ち合わせて、寝る前には彼女と「おやすみなさい」とメッセージを送り合った。
もちろん学校の勉強も、「美鈴さんに追いついてみせる」と息を巻いて、僕は来週末に行われる単位認定試験を目指して、夜遅くまで必死でノートにペンを走らせ、参考書を読み漁っていた。
デートをした土曜日から五日空けて、僕はその日も美鈴さんと図書館で待ち合わせて、お互いに期末の試験に向けて黙々と科目の復習をこなしていた。
僕は経営学科のレポートをいくつかテーブルに広げていて、美鈴さんは哲学の教科書の印のついた部分を、一枚一枚ページをめくって確かめては、何か書きつけていた。
その時に、ふと僕は美鈴さんの視線がこちらを向いているような気がして、目を上げた。いつものように笑ってくれるだろうと思った彼女は、なぜか少し不満げな、落ち込んだような目をして、僕から目を逸らした。
その時は「あれっ?どうしたんだろう」と思っていたけど、目の前にあるレポートに目を戻すと、僕はまた勉強を始めてしまい、「彼女も勉強に集中していたから、ちょっと気がなさそうに見えただけかな?」と、思い過してしまった。
図書館で終えたかった復習が済んで僕達が廊下を歩いている時、美鈴さんはあまり喋らなかった。僕も、明日は試験範囲の最後に入る科目の講義が多くて、そのことに気を取られていたように思う。
僕たちは校門を過ぎて、二人で地下鉄の駅に向かっていた。日が暮れた闇に、車のライトや飲食店の看板の灯りがチカチカと映って、昼間よりもむしろ灯りを感じながら、そのチープな光に埋もれた街の中、狭い歩道で僕たちは遠慮がちに身を寄せて歩いた。
僕はその時数学のことを考えていたけど、急に右手を美鈴さんにぐいと引かれて、僕達は立ち止まった。僕が振り返って彼女を見ると、彼女は何か言いたげにうつむき、僕を見なかった。彼女の頬と目は、近くにあるコンビニの店内から漏れてくる灯りに照らされている。
「どうしました?」
彼女はそっぽを向いていて、初めて見る顔をしていた。唇を尖らせて、僕を見ない目の瞼は伏せられている。長い睫毛の束が、彼女の瞳を隠してしまっていた。何かを不満に思って拗ねているような顔だったけど、僕は思い当たる理由がなくて、早く彼女から聞き出したかった。
「なんでそんな顔してるんですか?美鈴さん」
僕がそう言うと、美鈴さんは顔を上げたけど、それも初めて見る顔だった。悲しそうに下げられた眉と、潤んだ大きな目、それから何かを言うまいとしているのか、必死に一文字に結ばれた唇。
「美鈴さん…?」
彼女が悲しんでいることに僕は気づいたけど、美鈴さんはまた下を向いた。
「なんでもないです…」
なんでもないわけがない、切なそうな顔のままなのに、彼女はまた歩こうとした。僕は急いで彼女の手を引き、引き留める。すると、美鈴さんははっとして、僕を見た。
「なんでもなくないじゃないですか。あの…何かあったなら言ってください…僕、わからないけど、美鈴さんを悲しませているような気がして…」
僕達の横を、何人もの人が通り過ぎて、歩道の外をトラックやタクシーが忙しく過ぎていく。知らない誰かの楽しそうなお喋りの声や、どこかに向かって急いでいるエンジンの音は、どこか遠くに聴こえる。わざとらしい夜の灯りの中、僕達はそこに二人で立っていた。
美鈴さんは言いにくそうにして口を何度も開きかけ、そして少し赤くなっていた。言ってはいけないことを言わされようとしているように、困った顔をする美鈴さんの手のひらを僕はぎゅっと握って、その先を急かす。
「今度…私の家に、来ませんか…?」
そう言って彼女は顔を上げ、請い願うように僕を見つめた。僕の後ろを、大きなトラックが飛びすさっていった。
「えっ…家に、ですか…?」
僕は正直に言って、焦った。
まだ付き合い始めたばかりなのに、そんなことをしていていいのだろうか。いや、もちろん、美鈴さんがそう望むならそうしたいし、僕だって美鈴さんが暮らす家で、二人きりの時間を過ごしたい。
そう思ったけど、急に言われたものだから、僕は慌ててしまっていた。
「嫌、ですか…?」
不安そうに僕を見上げている彼女に、僕はなんとか、「行きたいです…是非」と、素直に答えてしまい、彼女はにっこり微笑んで「じゃあ、試験のあとで」と言い、そこから先は機嫌が良さそうに歩いていた。
僕はなんとなく、「二人きりになったら、家のことを切り出そう」と思い、それから美鈴さんの家の景色を想像していた。
期末の単位認定試験はあっという間に過ぎて、そして、満足のいく回答ができたと感じ、僕は他の学生たちと同じように、解放感を感じていた。でもちょっと頭が疲れたかなと思い、その日は美鈴さんと図書館で会う日でもなかったので、早めに家に帰り、少しベッドに横になってから夕食を食べようと思っていた。
その時僕は夢を見た。短い夢だった。
僕は美鈴さんの家に招いてもらっていた。それは可愛らしいカーテンに隠された小さな部屋で、僕は部屋の片端に寄せられた美鈴さんのベッドに腰掛けていた。布団は薄いオレンジ色のカバーが掛けられて目に温かく、ベッドから少し離れたところに白い四角のローテーブルがあり、部屋の隅には赤い引き出しがいくつも並んだ白いタンスがあった。
僕がベッドに腰掛けていると、キッチンの方から美鈴さんが部屋に入ってきて、僕の隣に座る。僕はそれを当たり前に受け止めて、彼女の肩を抱き寄せた。そしてそのまま、僕は彼女のブラウスのボタンに手を掛けたのだ。
「わあああっ!!」
僕は生まれて初めて、「夢から飛び起きる」ということをした。体中から汗が噴き出していて、心臓はバクバクと脈を打ち、僕の喉も脈に合わせて震えるほどだった。
僕はなんとか深呼吸をして気持ちを抑え、汗で湿って張りつくようなTシャツの首元を掴んで服の中にパタパタと空気を送り、熱い体を冷やそうとした。それから、手のひらでベッドのリネンをこすって、現実の感触を必死で求めた。
なんてことだ。こんな夢を見るなんて。まだ僕たちはそんなことをしていいはずないんだから、こんな夢を見たら、美鈴さんに申し訳ない。
僕は夢の中で彼女にしようとしていたことに罪悪感を感じながらも、夢で見た彼女の白い首元を何度も思い出しては頬を熱くして、そしてまたそれを打ち消そうと頑張った。
今度の週末は、彼女の家に行く。
僕たちは土曜日の午前十時に、美鈴さんの地下鉄最寄り駅にある改札で待ち合わせて、僕はあの夢を思い出さないようにと頑張りながら、改札の前で彼女を待っていた。でも、やっぱり楽しみだ。
夢で見た様子とはもちろん違うんだろうけど、美鈴さんの部屋はどんな様子なのかな。きっと可愛い部屋なんだろうなと思って、僕はえへらえへらと笑ってしまいそうになるのを、何人もの人々が通り過ぎていく前で必死に堪えた。
「馨さん」
僕がうつむいて、にやけてしまう頬を下げようと手で押さえていると、目の前には美鈴さんが立っていた。
「あっ、美鈴さん!お、おはようございます!」
僕は慌てて頭を下げて挨拶をしたけど、その様子を見て美鈴さんはおかしそうに笑って、「おはようございます」と返す。
「じゃあ、行きましょうか」
「は、はい!」
道々、僕たちは試験の行方を話し合ったり、来たる夏休みを楽しみに、どこか行きたいところを聞き合ったりしていた。美鈴さんはやっぱり海に行ってみたいとも言ったけど、「でも、暑いからなかなか出かけたくなくなっちゃいますよね、最近は」と笑ったりしていた。
今日の彼女は、細い肩紐の付いた、オフショルダーの白いワンピースを長く足元まで下げて、少しだけ踵の高いサンダルを履いていた。風がそよと吹くたびに、彼女が短い歩幅を踏み出すたびに、ワンピースの裾が揺れた。露わになった肩が思っていたよりずっと小さくて、僕は胸がずっとドキドキとしていた。
五分ほど歩くと、僕たちは小さなアパートの前に着き、彼女は「ここです」と言った。
それはちょっと小さめの古い建物で、横向きに敷地内に収まった二階建てのアパートだった。壁の色はくすんで褪せた黄色で、二階に上がっていく階段が錆びてしまっているのが見える。外廊下なので、すべての部屋のドアが見通せて、一つ一つの部屋は狭そうだった。
美鈴さんについて、階段前に日除けだけがある下に入ると、そこには壁に据え付けられたすべての部屋のポストがあって、その鉄の箱たちのほとんどに表札はなかった。今は、防犯の面からもみんな名前を書くことは減ったけど、それ以上に、「人があまり入っていないのではないか」と思わせるほどに古めかしくて、ところどころに持ち手が曲がってしまっているポストだった。
「私の部屋は二階なんです」
僕たちは階段を上がって、“203”と書かれた札が上に取り付けられたドアの前で立ち止まる。美鈴さんが鞄の内側からキーホルダーを取り出して鍵穴に挿し込んだ。キーホルダーには、小さな白いテディベアのチャームが付いていた。
「入ってください」
美鈴さんの部屋は、やっぱり綺麗に掃除がされていたけど、本棚に入りきらなかった本が溢れて積み重ねられているのが、玄関からのつきあたりにすぐに見えた。
そこはワンルームで、ドアから続いた廊下の右手前はシンクがあり、小さなガスコンロを置く場所もあった。廊下の右奥は浴室で、左側には手洗いがあるようだ。
奥にある部屋と玄関はドアで仕切られてはいないから、ちょうど本棚だけが見えていたのだった。
「ごめんなさい、古いアパートだから、ちょっと汚くて…」
美鈴さんは申し訳なさそうにそう言った。
「そんなことないです、どこも綺麗にお掃除がしてあるし、何より僕は、来られて嬉しいですよ。お邪魔します」
僕がそう言うと、美鈴さんはやっぱり少し遠慮するような顔はしていたけど、ちょっと嬉しそうだった。
奥にある部屋に通され、僕は取りも直さず部屋の真ん中にある小さなテーブルのそばのクッションを勧められたので、その上に正座をして、「お茶を入れてきます」と言ってキッチンに行った美鈴さんを待っていた。
友達の家にすら行ったことがない僕が、初めて大好きになった人の部屋に、二回目のデートでもう上がることになってしまった。それは嬉しくて堪らなかったけど、その分ものすごく緊張した。
キッチンを通った時にはわからなかったけど、ベッドのある部屋は、なんだか百合の花とミルクのような香りが混ざった、とてもいい匂いがした。女の子の暮らす部屋ってこうなんだと思って、その中に身を置かせてもらっていることで、ちょっと気が引けてきてしまうような気もした。
僕はクッションの上に座るように勧められたけど、床全体にも、ベージュの絨毯が敷かれていた。盗み見るようにちらちらと辺りを見回すと、玄関から見えた本棚の中身は日本語のタイトルと英語のタイトルが混じっていて、隣には少し古い勉強机があった。勉強机に取り付けられた棚には、大学で使う教科書や、参考書らしき分厚い本が何冊もあったけど、美鈴さんが学んでいる科目の多さを思えば、それは少し少ないように見える。
勉強机の右側の壁にシングルの小さいベッドが沿わせてあり、枕元の窓には、落ち着いたグレーのカーテンが掛けられていた。
ベッドのシーツは白く、きちんと畳まれた掛布団は、可愛らしさを感じる少し明るめのブラウンで、枕カバーも布団と対になっているようだった。ベッドの上には、ちょっと古そうなエアコンがある。
僕がふと振り返ると、勉強机があった逆側には押し入れがあったけど、そこは戸が開けられていて、上の段にはまた本が溢れたカラーボックスが二段重ねられていた。でも、そこに収められた本はみんな文庫版の小説で、ゆうに百冊はあるだろうと思い、僕は「いつこんなに読むんだろう」と、またびっくりした。
僕の前にある小さなローテーブルは、白地に灰色の模様が入った四角いもので、冬はコタツになるタイプのものらしく、僕は冬になって寒い家の中でコタツに入り、温かさに安心してくつろぐ美鈴さんを思い浮かべていた。
「お待たせしました」
美鈴さんが、木目模様の小さなトレーに湯気をたたえたマグカップを持ってきて、それをテーブルに置いて僕の目の前に座る。
美鈴さんはちょっと俯いていたけど、僕は「いただきます」と言ってお茶を飲んだ。美味しい紅茶だった。
「美味しいですね」
僕は何気なく紅茶を飲んでそう言っただけだったのに、美鈴さんは悲しそうな顔をして、僕を見ないようにしているように見えた。その顔は、何か切羽詰まって思い詰めているようだ。自分の紅茶を飲もうともせず、ワンピースからはみ出した肩をきゅっと縮めて、美鈴さんはちょっとため息をつく。
「どうかしたんですか…?」
不安に思って僕がそう聞くと、美鈴さんはちょっとだけ首を振った。僕の言葉を払いのけるようなその仕草に、僕はちょっと動揺する。そうして僕が口を開きかけた時。
「あの…敬語…やめませんか?」
僕はどきりとして、すぐに右手で持っていたマグカップを置いた。
ついにやってきてしまった「次の段階」に、また僕の心臓が騒ぎ出す。
美鈴さんを見つめたまま、僕は頷きたいのにそれができず、顔を上げた彼女が、あの夜にチカチカする灯りの中で見た時と同じ顔をしているのがわかった。
彼女に気づかれないように少し長く息を吐いて、まずは、「すみません」と言った。すると彼女は、自分の言うことが受け入れられなかったと思ったのか、泣きそうな顔をする。僕は慌てて話を始めた。
「僕、女性と話したことがほとんどなかったから、いつもどう話したらいいのかわからないから敬語のままで…それで今まで、あなたを悲しませていた…今あやまったのは、そのことに対してです」
僕がそう言うと、彼女は胸元で両手を握ったまま、首を振った。
「悲しんでたわけじゃないです。でも、なんだか、馨さんと本当に距離が縮まったのか、不安で…それで…でも、私こそ馨さんの気持ちも考えず、すみませんでした…」
そうして美鈴さんはしゅんとしてうなだれる。僕は早く彼女を安心させたかった。
「いいんですよ、そんなこと。じゃあ、普通に話しましょう。…えっと、緊張するけど…」
僕が少しだけくだけた口調になると、彼女はぱっと顔を上げて、笑顔を輝かせた。
「よかった。私も少し緊張するけど…ふふふ」
彼女はちょっと困ったように笑っていて、今日もとても可愛らしい。僕は、安心して僕の前に居る彼女を見ているだけで、夢うつつのような気分だった。
お茶がなくなるまではしばらく僕たちは黙っていたけど、紅茶が残り二口ほどになると、僕は右側に見えるベッドが気になって仕方なくなってきた。
昨夜の夢を思い出す。そして、ベッドの上で同じ振る舞いをする僕と美鈴さんを思い浮かべてしまって、それを振り払うために、一生懸命ぱちぱちと瞬きをしてみた。
違う違う。別にそうしたいわけじゃなくて、思い出しただけ。だから、早く忘れよう。何か彼女と話すことはないかな…。
僕は、ぎこちなくなってしまう体を抑えながら、振り返って押し入れを指差す。
「あ、あの…ずいぶん小説があるよね。これ、全部読んだの?」
彼女は紅茶を口に含んだところだったので、それを慌てて飲んでから、緊張気味に喋り出す。それは、ちょっと遠慮がちに、途切れ途切れだった。
「あ、うん…小さい頃から、本を読むのは好きだったから…それで、いっぱい読んでたし、今でも、そこに…」
「おすすめは…?」
「あ、うん、「カラマーゾフの兄弟」、かな…ちょっと、長いけど…」
「そ、そっか」
「うん…」
僕たちは、すっかりかちんこちんになってしまっていた。もう、何を話したいのかもわからなくなってしまうほどに心がおぼつかず、まるで誰かに急かされているような落ち着かない気分で、そのくせ胸が苦しいほど嬉しかった。
たまにちらと目を合わせては、美鈴さんは僕から目を逸らしたけど、その目は優しく細められ、それでいて眉は切なく苦しそうに少し寄せられていて、彼女も僕と同じような気持ちを味わっているのだろうか、と思った。
とても幸せな気分なのに、その幸せの大きさに、僕は戸惑って、何も言えないでいる。
彼女がマグカップをテーブルに置く、コトンという音にまで、驚いて顔を上げるほど、僕は緊張していた。彼女はそのまま僕を見上げ、見つめている。
何を言われるのか、僕はわかっていた気がする。だから、「絶対にちゃんと頷くんだ」と思っていた。僕が恥ずかしがってしまったら、彼女が傷ついてしまう気がしたから。
「誰も、居ない、から…」
彼女はそれだけを言って、テーブルの上に置かれた僕の右手に、自分の左手を重ねた。温かく、すべすべとした指先の感触が、いつもよりずっとくすぐったくて、触れられたところがじりじり痺れるような気がした。彼女がテーブル越しに僕に近づき、目を閉じる。
心臓がどくどくと脈打ち、逃げてしまいたいような気持ちに駆られた。それでも震えながら、僕は彼女の唇に自分のそれを近づける。それから、僕の手に重ねられていた彼女の手を、自分の手のひらの中に、そっと握った。
その瞬間、世界がぐるりとひっくり返ったのかと思った。「彼女とキスをした」、そう思っただけで、僕は全部が変わってしまったような気がしたのだ。それに驚いて急に後ずさりたくなったけど、なんとか堪えた。
触れ合った彼女の唇には、口紅は塗られていなかった。温かくて、僕の唇に触れただけで押されてしまうくらい、ふにふにと柔らかい。でも、触れている感触が危ういのは、同じくらいの熱さだからかな。
僕は少し目を開けたけど、彼女は瞼を閉じていた。近すぎる長い睫毛がぼやけて見えて、きめの細かい白い肌が目の前にあることが信じられなくなりそうで、目がくらんだ。
いつまでもこうしていたいのに、すぐにでもやめないと心臓が弾け飛んでしまうような、ときめきの洪水だった。
でも、長引くと彼女に嫌われそうな気がして、僕は体を引いて、顔を離した。どのくらいの時間だったのかなんてわからないくらいだけど、多分、本当は何秒かのできごとだったんだと思う。
「…うれしい」
彼女は俯いていて、これまでで一番赤い顔をしていたけど、幸せそうに目を細めていた。
「僕も」
Continue.
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