異世界ファンタジーとのお付き合い

「稀人オーク」の設定を読んだ人にはうっすら分かるかもですが、

私は漫画的、ゲーム的な異世界ファンタジーには、

ほとんど触れない子供時代を過ごしました。

異世界ファンタジーがさっぱり理解できない、

という雪江の感覚はその頃の自分に由来しているものです。



まず家にゲーム機がありません。子供の頃から1度もです。

これを言うと「子供の頃なにして過ごしてたの!?」

と驚かれたりしますが、紙と鉛筆があったらご機嫌だったので、

友達の家に行ってもゲーム機には馴染めませんでした。


もう一つの要因は、主に父が漫画やアニメを好きではなく、

母も子供のうちは文学に触れろというスタンスだったため。

が、自分で物語を書くのは割と好きなのに、

文学となるとまどろっこしくて面白いと思えなくて、

こっそり図書館で読みたい本を探す日々。

そしてなぜか「漫画」という形が好きだったようで、

学校にも置いてある「火の鳥」とか「はだしのゲン」とか、

「漫画人物伝」でもいいから、とにかく漫画が読みたかった。


買って読めばいいやんと言われそうですが、

それは当時の小遣いの額の問題で無理だったので、

欲求不満の解消はいつの間にか「自分で書く」という方向に。

絵を描くのも文章を書くのも好きなので、

これにハマった時は布団の中にノートを引っ張り込んで書いてました。

普通借りた漫画をこっそり読むときのスタイルですよね、これ。



ようやくその欲求不満が解消されたのが、

進学で他県に出た時でした。

漫研に初めて入った時の周囲とのギャップは凄かったです。

なんせ漫画にもゲームにもろくに触れずにその歳まで来たので、

みんなが普通に異世界ファンタジーの世界を描けることにびっくり。


当初は漫研にいるくせに漫画を読んでると怒られそうな気がして、

部室で立ち読みしているところに先輩が入ってくると、

咄嗟に手に持っていた漫画を隠してしまうという変人っぷり。

エロ本でも読んでたのかとあらぬ勘違いをされてました。

いや好きですけどね、エロ本。


そして当時から私の頭を悩ませて、

今も割と馴染めないのがゲーム的設定だったりします。

ゲーム機に触り慣れずに成長してしまったので、

当然ながらゲームによくある要素の数々は未知の物。

これが解消されるまでには更に数年を要し、

成人して数年後に初めてMMORPGをプレイするという荒療治がきました。


しかもガッチガチの対人戦をするタイプのやつです。

すでに何年もプレイしてきた人たちに混じって、

ゲームそのものが初心者という人間がいきなり始めるという無謀さ。

もし知り合いが同じことをしようとしたら絶対やめとけって言いますね。


でもそのおかげで、ゲームの世界に没入する感覚や、

ゲームに慣れた人が思わず書いてしまうゲーム的設定、

ネット上のコミュニティの良さや楽しさなど、

色々と理解できるようになりました。



馴染んでしまえば自由に設定を作れて面白い世界ですが、

こういう慣れって物語を書く上では結構危ないですね。

というのが実感で分かるところが、

「稀人オーク」を書く上では強みだったかもしれません。


「異世界転生もの」が流行っている背景には、

そういう世界に慣れている人が多いという事があるんだと思いますが、

昔の私みたいな人間もわりと多いみたいですしね。

という話をあまり突っ込んでいくと厄介なのでここまでにして。



異世界ファンタジーとのお付き合いはまだまだ始まったばかり。

その楽しみ方は他の人とは全然違う部分にあるのかも知れませんが、

それでも好きなことは確かです。

何が言いたいかと言えば、そう、要するに、


面白い異世界ファンタジーが読みたい!


ってことでしょうね。

初心者向けで気楽に読める異世界ファンタジー、

どなたかおすすめがあったら教えてくださると嬉しいです。

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