第5話 先生と雄平
「まあ痛々しい傷ね。大丈夫?」と、保健先生。
「はい」
体育の授業中に怪我した俺は避けたかった保健室に足を運んだ。
「放課後、ガーゼまた替えるから来てね」
「いいえ、大丈夫ですよ」
「駄目よ~きちんとしておかないとバイ菌入るから良い?」
最悪だ。
アイツ・藤原の情報だと俺がお気に入りというのが一番タチが悪い。
放課後、足を運ぶ。
本性を知って辞めさせる方法もある。
「先生」
「………………」
行って呼んだものの先生の姿はない。
戻ろうとしたその時、背後から抱きしめられた。
「駿河君。要約あなたと二人きりになれたわ」
「………………」
「ねえ、私とイイ事しましょう?」
抱きしめた体を離し向き合うと先生は俺の制服のボタンを外していきながらキスをしようとした。
「先生、俺、好きでもない人と、そういう事は出来ません!」
俺は彼女を押し離し保健室を出ようとした。
「駄目よ!」
入り口を塞ぎ鍵をかけられた。
≪マズイ!鍵……この女……マジかよ!≫
ジリジリのにじりより、俺をベッドの方へと向かわせる。
「初めてじゃないんでしょう?それとも初めてかしら?」
彼女は俺を押え付けた。
「ちょ、ちょっと先生……」
≪この女……マジ手馴れてやがる!≫
≪クソッ!俺もマジになんねーと……≫
「ねえ、先生、今まで何人の人としたの?イイ事って何ですか?何となく分かるんですけど……俺、こう見えても初めてなんですけど……」
「あら?カッコイイのに新鮮♪ あなたレベルなら経験済みのような気がするけど」
「じゃあ、手取り足取り教えて下さい!先・生」
グイッと先生を俺は押え付けた。
「あら?初めてな割には大胆……」
「まさかっ!先生の知ってる俺って無邪気な俺なんですよね~?本性知らないからあんた!そんなにヤりたいならマジ傷付けて良い?」
「えっ!?ま、待って!」
「待ってって選択肢ないけど?だって、俺とヤりたいんでしょう?先・生」
「ちょっと駿河君……」
「まさか、先生こそ初めてなんじゃ?何人とヤったの?ここで!あんたがバレんの時間の問題じゃねーの?」
「は、離し……」
「あんたみたいな美人、俺嫌い。悪いな!先・生」
俺は保健室を出る。
「うわっ! ビックリした!駿河君!?」
ドアを開けると藤原がいた。
ドキッ
私は制服がはたけている駿河君の格好に胸が大きく跳ねた。
「ちょ、ちょっと目のやり場ない……」
グイッと肩を抱きよせられた。
「ちょっと協力して」
「えっ?」
「駿河君、待って!」
保健の先生が駿河君の名前を呼び先生の洋服が乱れている事に気付く。
≪えっ!?な、何?この展開はっ!≫
≪二人とも洋服乱れてるんですけどぉっ!≫
「ごめん、梨生」
ドキッ
「な、何?ていうか、その格好……やっぱり大人の色気に負けちゃったんだ」
「誤解すんなよ!呼び出されたんだよ!」
「モテモテ君は大変だね~」
「うるせーな!」
「あなた、彼の本性知っているの?」
「えっ?あっ…」
先生が、尋ねた。
そこで、すぐに駿河君は話し始めた。
「そうなんですよ。でも先生が、梨生に俺の事を話している時は付き合ってなくて。俺の全て知ってんの彼女だけなんです。彼女裏切る気ないんで失礼しまーす!帰るぞ!つーか、どうかしたのか?」
「うん、ちょっとドアに手挟んで……」
「ダッサ!帰りシップでも買って帰れば?それとも病院行く?」
駿河君は私の肩を抱き寄せたまま、私達は移動する。
「しばらく我慢して」
「あ、うん……」
「つーか、マジ助かった」
「それは分かったから、その格好何とかならないかな?目のやり場ないから」
「良いじゃん!」
「ダーメ!」
私達は向き合うと駿河君のシャツのボタンをはめる。
「なぁ、梨生」
ドキッ
「な、何?」
私を抱きしめるようにすると
おでこにキスされた。
「ちょ、ちょっと!」
「可愛い~♪」
私達は騒ぎながら教室に向かった。
その後、保健の先生は解雇になった。
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