第3話 本当の真相
次の日、学校での事だった。
「梨生ちゃん、おはよう!」
「おはよう!」
「良かったぁ~無事で」
「えっ?」
「最近、女子高生狙いの事件起きてるみたいで心配してたんだ。連絡しようとしたら連絡先、聞いてない事に気付いて」
「あー、そうだったね。聞かなきゃって話していたのにね」
私達は連絡を交換しあう。
「事件の件は怖いね。お互い気を付けなきゃね」
「そうだよね」
そして、その日の帰りのアパートのエレベーターでの事だった。
「なあ、昨日」
「うん、昨日がどうかした?」
「大丈夫だったのか?」
「何が?」
「トイレ間に合った?」
「えっ!?トイレ!?」
「いや、血相変えてエレベーターに乗り込んできたから」
「やだ!レディにトイレ間に合った?なんて普通聞かないよ~やらしぃ~」
「お前なぁ~」
エレベーターが止まり降りる私。
グイッと引き止められ、壁に押し付けた。
ドキッ
「な、何?」
「襲われかけて怖い思いしたんだろ!?」
ギクッ
「えっ?」
「偶然、目撃者がいたらしくて、女子高生が車に無理矢理乗せられたって……お前が帰っている時間だよな?」
「女子高生は沢山いるよ~私である証拠何処にあんの?」
「同じ学校の同級生の奴等がお前を見てんだよ!」
「………………」
「お前、転入生だし、自慢してる訳じゃねーけど俺が名前と顔の知れた人間だから。俺のクラスに転入生来たことも知られてるし」
「………………」
「ちなみに目撃者した奴等のうち一人は同じクラスだし、誤魔化しても無駄だから」
「………………」
「とにかく無事なら良かったけど、俺には正直に話してくんねーかな?」
「駿河君…」
「お前と同じ学校だし、同じクラスでもあるわけだから。しかも同じアパートなら何かあったら、お前の親が訪ねてくるだろう?」
「……それは……」
「とにかく、俺には隠し事はするな!いいな!」
「…………」
両頬をつまむ。
「…いたい…」
「分かったのか?返事は?」
「はい……分かりました……」
つまんでいた両頬が解放される。
頭をポンポンとされる。
「じゃあな」
駿河君は階段をあがって行った。
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