10.あーあー、ここはいい所だな~

「あっ!洗濯物入れて!雨降ってきたわ。」

「えぇ~。めんどくさいよぉ!」

「何言ってんの!あんたの、体操着とかシャツばっかりよ!たまには、手伝いなさい!」

そうだぞ、君はいつもダラダラと。

僕みたいに、ママの手伝いをちゃんとするんだぞ。


「ねぇー!手伝ってよ!」

嫌だよ。

君が頼まれたんだろ?

僕は、君がちゃんと、ママの手伝いをしているか見張る仕事がある。

ぶつくさ言ってないで、ちゃんと手を動かすんだ。

「入れたら、ちゃんと畳んで仕舞っといてよ。」

「えぇー!そこまで、しなきゃいけないの?あっ!また、パパの洗濯物と一緒に洗わないでって!言ったのにぃ!」

「ワガママばっかり…。じゃあ、あんたが洗濯物しなさい。」

「やぁだぁ~。」

本当に君は、ワガママだな。

僕にもママにも頼って‥‥。

ふっ。


「あっ!今、なんか鼻で笑った?笑ったわよね!」

近い近い。

顔を近づけるなよ。

鼻息が、僕の鼻にかかるだろ。

「笑うんだったら、手伝ってよ!もうっ!」

洗濯物ごときで、煩いやっちゃな。

全く、君は僕がいないと何もできないんだから‥‥。

しょうがないな、僕に任せろ。


‥‥…。

ところで、君が畳んだその洗濯物は、不安定だな。

ママは、きっちり折り目をつけてるぞ。

それに、シャツとか、パパのズボンにはアイロンをかけてるぞ。

たまに、君が使ってるクルクルさせるアイロンじゃないぞ。

きったない畳かただな‥‥。

ほらっ、やり直しだ。

「うわっ!ちょっ、畳んだのに崩さないでよ!もう‥‥邪魔しないで!」

はぁ?

‥…‥‥今、君は僕の事が邪魔だって?

冗談じゃない…。

僕が手伝ってやってるのに‥‥。


クシャクシャ。フミフミッ。

ノシノシッ。

ドサッ!


「あぁーーー!なんで、洗濯物の上で寝るのよぉ!畳んでるの!」

それは、畳んでない。

ママを見習え。

それに、僕には邪魔して欲しいんだろ?

あーあー、ここは、お日様と柔軟剤の匂いがしていい所だなぁー。

僕は、寝くなるなぁー。

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