7.パパさん…たまには、やるじゃないか!

「たっだいまぁ~!お土産買ってきたぞぉ!」

「パパお帰りなさい!なになに?」

パパが、帰ってきた。

パパは、ご飯もくれなし、遊んでもくれない。

たまに、スマホで僕の写真を撮るだけ‥。

それと、2人きりになったら、赤ちゃん言葉で話しかけないで欲しい。

僕は、赤ちゃんじゃないかな。

それに‥‥。

なんと言っても、パパは、足がくっさい!

本当に、くっさい…。

なんで、ママも君も気にならないのか、僕にはわからない。

外から帰ってきたら近づかないで欲しい。


「ほぅら!お土産だぞ!これなら、一緒に食べれるぞ!」

だから、近づくなって…。

全く、僕から離れなくちゃいけないじゃないか…。

ん?

なんだ、この匂いは?

サンマじゃない…。

カツオでもない‥‥。

僕の知らない魚だ!


「うぉ!はっ初めて近づいてきてくれた!」

「良かったねパパ。」

「おめでとう、パパ。」

「あぁ…痛っ!ごっごめん。」

僕は、その魚に用があるんだ。

くっさい手で、僕に触るな。


「どんまいパパ。」

「触るなってパパ。」

なんだ?

なんて言う魚だこれ?

サンマよりも大きくて、カツオよりも白い。

それに、皮がキラキラしてて、顔の近くが僕の手の色に近い。

なんだ、こいつ?

でも…なんとなくいい匂いがするな。


「ほぉらっ。返して魚。新鮮だし、お刺身にしましょうか!」

「やったー賛成!」

僕の分もあるんだろうな!

別に、無くても君から貰うからいいけど。


「じゃあ、食べましょか!パパありがとう!はい。これは、あなたの分よ!」

ママ、やっぱりちゃんと分かってるぅ!

これが、僕の分か…。

フンフンッ。

匂いに異常なし。

見た目も‥‥異常なし。

パパもママも君も食べてるな‥‥。

じゃあ、大丈夫だ。

パクッ‥‥。

美味い!美味いじゃないか!

なんだ、この上品な味。

あっさりとしていて、食べやすい。

これなら、いくらでも食べられるな!


「おいっしいぃぃ!すっごい美味しいね!この鯛!」

「残りは、明日鯛ご飯にしましょうか。」

パクッパクッ。

ふんふん…この魚は、鯛っていうのか…。

こんなに美味しい魚があったなんて…。

僕の中で、好きな魚、第1位のマグロに地位が揺らいでいるじゃないか!

凄いな鯛!こんな美味しい鯛を狩ってくるなんて…。

パパさん…たまには、やるじゃないか!

僕もたまには、何か狩らないとな‥‥。

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