第7話

 初心者ダンジョンについた俺は早速5階層に向かいながら、今日獲得したスキルを使用していた。

「やっぱり、スキルがあると武器の扱いやすさが段違いだな」

 スキルがなければ、武器の扱いに関してはその人の能力次第となっている。剣道や弓道をしていた人が剣や弓を扱うのと、全くの素人が剣や弓を扱うのとでは練度が違う。そのため、スキルを所持していない状態での武器の扱いには差ができてしまう。スキル獲得はその差を大きく埋めることができる。武術スキルレベル5を獲得した俺は、まるで達人、いや達人ですら到達し得ないであろう領域に来ている気がした。もちろん、同じスキルを持っていた場合は、練度分の差が出てしまう、しかし様々なスキルを手に入れることで獲得した武術スキルを他の冒険者が獲得できるとは思えない。となれば、後はトップの冒険者達とのレベル差を埋めることが重要だ。

「よし、進むか」

 揚々と5階層に進んだ俺だったが、スキルの獲得もあってかゴブリンの対処に苦労することはなかった。そのまま、進み俺は10層前まで来ていた。10の倍数層にはボスがいる。初心者ダンジョンは基本的に20層までしかないため、ボス部屋は二つある。ボスを倒すと、良いドロップ品をもらえるその分リスクもあるのだが、初心者ダンジョンのボス程度なら大丈夫だろうとボスに挑むことにした。

「何がでるかな」

 ボス部屋は基本的にそのダンジョンにいるモンスターの上位種が出てくる。最終層ならば、ゴブリンキングやゴッドスライムなどが出てくるが、それ以外ではそこまでの上位種がでることはない。俺は、出てくるモンスターによってはテイムしてみようと考えていた。

「ゴブリンメイジか」

 出てきたモンスターは、なんてことはないゴブリンメイジとゴブリンが数匹だった。テイムはせずにモンスターを倒すと、魔法の杖が手に入った。これは、初心者冒険者の魔法使いが基本的に装備する武器だ。ステータスの上昇はそれほどないし、効果だって魔法発動スピードを1%増加させる程度の物だ。その他には、魔石が2つドロップしていた。俺はそれらを拾い、ダンジョンをでた。

「5万円か、冒険者としてやっていけないと思っていた俺が日にこんなに稼げるようになるとは」

 今日手に入れた、アイテムを売って5万円を稼ぐことができた。これを1ヶ月毎日すれば、月に150万円稼ぐことができる、パーティーを組んだりもっと深層に行ったり初心者ダンジョンを攻略し、中級や上級ダンジョンに行けるようになればさらに稼げるようになるだろう。だが、

「やっぱり、レベルアップによるSP獲得はなしか」

 そう俺だけはレベルアップではSPを獲得することはできない。稼ぐだけならばもう問題はないだろう、だが俺は絶級ダンジョンを攻略したいのだ。恐らく、今のスキルがあればレベルを上げるだけで上級ダンジョンの攻略は可能になるだろう。超級ダンジョンに挑んでいる冒険者がいない中で絶級ダンジョンを目指している。となれば、絶級ダンジョンの難易度は計り知れない。俺は、ダンジョン攻略とゲームをしてSPをためるのを1日ごとに行うことに決め眠りについた。


 多川悠人

 レベル 34

 HP 3500

 MP 1335

 SP 4772

 職業:初心者冒険者

 物攻:126

 物防:92

 魔攻:103

 魔防:110

 速さ:150

 運:47

 スキル:鑑定レベル5 経験値増加レベル5 譲渡レベル5 スキルコピーレベル5 SP獲得量増加 武術スキルレベル5 魔力増加レベル5 テイミングレベル5 全属性魔法レベル5 索敵レベル5 etc

     

 称号:SP特殊取得者


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ダンジョンができた世界で1人ゲームをする者~SPの取得方法が俺だけ違った件 色葉 @suushiki

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