第6話

家に帰ると、両親は寝ていた。


★2年前

「母さん、父さん、俺冒険者になろうと思うんだ、もちろんそんなに簡単じゃないと思っている、冒険者の中にはダンジョンで亡くなり、遺体が見つかっていない人だっている、それでも俺は冒険者になりたいんだ」

「私は反対よ、冒険者という職が普通でないと言うのは変かもしれないけど、しっかりと定職について働いて欲しいと思っているの」

「自分で決めたんだろう、死なないで立派な冒険者になれるよう頑張れ」

「お父さんは賛成なのね、いいわ。でもね、約束して絶対に死なないと、危ないと思ったら生きることを優先すると」

「ありがとう、俺頑張るから」

そのすぐ後に、SPが取得できず、冒険者を諦めなければいけないのかと部屋にこもるようになっていた。それからは、知っての通りである。


★現在

俺は明日、両親にもう一度冒険者を目指すことを話して見ようと決めた。


「母さん、父さん、俺やっぱり今のままだと良くないと思っているんだ。あの日、父さんと母さんが冒険者になることを許してくれた。立派な冒険者になると約束したのにすぐやめてしまった。もう一度冒険者として頑張ろうとおもっているんだ。」

「好きにしなさい、でも次はないからね」

「約束だぞ」

「ほんとうにありがとう」

俺は両親に恵まれたと強く思っていた。


俺はダンジョンに来ていた。

「よし、じゃあスキルコピーを使うか」

スキルをコピーするためだったので初心者ダンジョンでなく上級ダンジョンに来ていた。上級ダンジョンに入るためには、称号:中級ダンジョン攻略者が必要であるため内部には入りたくても入ることはできない。そのため、ダンジョン付近で冒険者を鑑定、スキルコピーを繰り返していた。その日は1日、スキルをコピーしていたが徐々に同じスキルを持つ者が多くなり、最後にはほとんどコピーできる新たなスキルはなかった。


家に帰り、今日手に入れたスキルを確認する。

多川悠人

レベル 15

 HP 1500

 MP 623

 SP 4772

 職業:初心者冒険者

 物攻:54

 物防:34

 魔攻:36

 魔防:42

 速さ:40

 運:35

 スキル:鑑定レベル5 経験値増加レベル5 譲渡レベル5 スキルコピーレベル5

 SP獲得量増加 武術スキルレベル5 魔力増加レベル5 テイミングレベル5

 全属性魔法レベル5 索敵レベル5 etc

     

 称号:SP特殊取得者


魔法はいくつかの属性魔法を手に入れた後に統合され全属性魔法へと変化した。他にも、剣術や体術、槍術などが統合され武術スキルとなった。スキル10個以外はetcと表示されている。その中には、隠蔽や無詠唱などスキルがある。隠蔽スキルを手に入れたとき、もし鑑定されていたらと焦った、こんな簡単なことを忘れているとは思わなかった。

「これなら、ゴブリンどころか初心者ダンジョンの攻略なら問題ないんじゃないか」

そう独り言をつぶやき、初心者ダンジョンへと向かった。

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