5》◆証明~待機~◆
ここはトウマ達が泊まる宿屋。そしてレックスの部屋だ。
ここには現在、トウマとマリエスとレックスが椅子に座りテーブルを囲んで話をしていた。そしてテーブルの上にはウッピィがいる。
「あとで連絡をする、か……」
「トウマ……大変なことになってしまったわね」
「強者とか……それも五人。まあトウマは強いから大丈夫だと思うけど。だが……あの大臣やたらとトウマを疑ってたよな」
そうレックスが言うと二人は頷く。
「なんでだろうな。オレは、ただ言われた通りに王都へ来た。それなのに歓迎されるどころか……疑われるって」
「
「ああ……それにセルジオって人が、あの時……割って入ってくれなかったら疑われたまま追い出されて……。いや、最悪……処刑されていたかもな」
そう言いレックスは、ゾッとし顔が青ざめた。
「そういえば……アルベルトから渡された書簡って、もう一つあったんだった」
トウマはそう言いながらバッグの中から小さな箱をとる。
「これみて思いだしたんだけどさ……城に行く前にセルジオ・フォレに会えって言われてたんだ」
「おいっ、じゃあ……やっぱり何かあるからか」
「そうだな……オレは、それほど気にしてなかったから……しくじったかもしれない」
そう言いトウマは俯き無作為に一点をみつめた。
「まあ……起きたことは仕方ない。それに力比べで証明すればいいことだし」
「そうね。今は連絡を待つしかないわ」
「そうだな……そうする」
そうトウマは言うとレックスとマリエスとウッピィを順にみる。
その後もトウマ達は話をしていた。
◆§◇§◆§◇
ここはクリスティス城内にある銃士隊の隊長室。
セルジオは机上に両肘をつき頭を抱えている。
(……アルベルト様に書状を魔法で送った。あとは返事を待つだけです。ですが先程の者が本当に紫の勇者だとして……なぜ屋敷の方に立ち寄らなかった?)
そう思い窓の方へ視線を向けた。
(そのことは本人に聞くのが早いか……だが本物だと証明されてからになるな)
セルジオはそう考えがまとまると目の前の書類を持ち目を通し始める。
――場所は移り、大臣オルタニスの書斎――
オルタニスは机の前をウロウロしていた。
(クッ……セルジオ、余計なことを……このままでは我々の計画が水の泡になってしまう。
この城で邪魔なのはアルベルトの息のかかったセルジオと、あの女隊長……アルビアス。この二人さえ……どうにかできればよいのだが。
自らの手を下す訳にもいかぬ……誰かを使って……そうか、エルヴがいる。フッ、まあ元から使い捨てだ。それに既にアルビアスに手をかけておるしな)
そう考えがまとまるとオルタニスは高笑いをする。
そしてその後、エルヴ宛てに手紙を書くと従者に渡し届けさせた。
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