23》♠︎パーティーの真の目的〜決闘するも~♠︎

 ここはラガの屋敷の庭。外はすっかり暗くなっていた。


 この庭には現在、トウマとレックスしかいない。


 そして二人は、お互い見合っている。


「ルールは、どちらかがダウンするまでだ」


「レックス、ただそれだけか。まあいいけど、サッサと終わらそう」


 明らかにトウマはやる気がなく気が抜けた状態だ。


 それをみてレックスは苛立っている。


「やる気がないみたいだな。それとも……俺を馬鹿にしてんのか?」


「いや、馬鹿にはしてない。ただ、面倒なだけだ」


「なるほど……フッ、随分余裕だな。まあいい……その余裕の顔をゆがましてやる!」


 そう言いレックスは、トウマへ殴りかかった。


 それをみてトウマは即座にレックスの腕を掴み思いっきり捻る。その表情は慌ててる様子もなく冷静だ。


「グアッ!」


 レックスは余りの痛さにそう叫んでしまう。


 このままやられる訳にいかないと思いレックスは、トウマの足を思いっきり蹴る。


「ツウ……」


 トウマは足を蹴られ掴んでいたレックスの腕を離してしまった。


 即座にレックスはトウマにタックルする。


 トウマはそのまま地面に倒れた。


 それと同時にレックスは、トウマの上に乗り腕を掴み押さえ込んだ。


「……はて? 随分柔らかい腕だな」


 レックスはトウマの腕を掴んだ瞬間、変な感覚に襲われる。


「う、どけっ!」


 そう言うとトウマは上体を起こした。と同時に、レックスの顎に頭突きをかます。


「ウグッ!」


 レックスは油断していたため頭突きを真面にくらった。そしてそのまま気絶し地面に倒れる。


「ハァハァ……終わった?」


 そう言いトウマはレックスの様子をみた。


「気絶してる……アレ以上、体を触られるとバレそうだったからな」


 トウマはそう言いながらレックスを抱きかかえた。


「流石に重い……やっぱり、自分よりも身長あるしな」


 そう言いながらレックスを担いだまま建物の方へ向かう。


 そのあとをウッピィが追いかける。



 ◆§◇§◆§◇



 ここは屋敷の中。


 トウマは屋敷に入るなり、近くに居た人に言いレックスを部屋に運んでもらった。


 その後トウマは、この屋敷の侍女に案内され部屋に向かう。そう服が汚れてしまい着替えるためである。


 トウマは部屋に入るなり侍女を外に追い出した。


 外で待機している侍女は、なんで追い出されたのか分からず困惑している。


 部屋の中ではトウマが着替えをしていた。


(う……また着替えるのかよ。でも、同じような服がよくあったよな。まあいいか……だけど、ここで勝っちゃって良かったのか?

 却ってマリエスと縁を切れなくなった気がする。ああ……どうしよう……だけど、危うく胸を触れそうになったから……。

 そうそう……自己防衛ってことで仕方ないか)


 そう納得しながら服を着替えたあと髪を整える。


「フゥ……これでいいか。いやだけど、行くか……」


 そう言いトウマはウッピィをみた。


 それを聞きウッピィはトウマの肩にのる。


 そしてその後トウマは、部屋から出て侍女に案内され大広間へと向かったのだった。

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