15》♠︎来客と手紙♠︎
ここはトパタパス村。
あれからトウマは、つかまえた山賊のボスとその仲間たちを警備隊に引き渡すと、レックスとマリエスと別れ白岩の森をあとにした。
その後トウマは、ウッピィと村の宿屋に戻り、ベッドにゴロンと横になると、疲れていたため眠ってしまう。
そして、ウッピィもトウマの左側で丸くなり眠っている。
しばらくして部屋の戸を叩く音がしトウマは、背伸びをしながら起きると、扉の方へと向かった。
(ん〜誰だろう?まだ昼間かぁ。けっこう眠ってた気がするけど。……)
そう思いながらトウマは扉まできた。
「誰?」
トウマがそう聞くと、扉の向こうから中年風の男性の声が聞こえてきた。
「ここは、トウマ様の部屋で間違いないでしょうか?」
「うん。そうだけど」
何で扉の向こうの男が自分の名前を知っているのかと、トウマは疑問に思った。
「ああ良かった。まだ宿におられたのですね」
「オレに、なにか用なのか?」
「はい。扉ごしで失礼かと存じますが。マリエス様を救っていただき、ありがとうございます。つきましては、そのことでお話が」
トウマはそう言われ扉を開けると、そこには白髪まじりで銀髪の紳士風の男が立っていた。
紳士風の男を部屋の中に入れるとテーブルの方で待ってもらい、トウマはベッドの方に向かった。
ベッドまで来るとトウマは寝ているウッピィを起こし自分の左肩に乗せると、紳士風の男がいるテーブルへと向かった。
トウマがテーブルまでくると、紳士風の男は軽く会釈をし話しだす。
「トウマ様。マリエス様の件、あらためて御礼もうしあげます。私はロイズ家につかえております、執事のハミル・マルキスと申します」
「あ、いえ。ご丁寧にありがとうございます。それで、話ってなんですか?」
ハミルはトウマを、品定めをするような目でみている。
「なるほど。お嬢様がお話になられていたとおりの、お方のようですね」
トウマはそう言われ首を傾げた。
「話してたって、なにをですか?」
ハミルがなにを言いたいのか分からず、トウマは困惑している。
「あ、これは失礼いたしました。実は、あなた様がどのような人物なのか確認してくるよう、ラガ様に言われおうかがいしたのです」
「オレのことを確認って。なんのために?」
「それは……。そうですね。私の口からこれを言うわけにもいきませんので、ラガ様に直接きいて頂いた方がよいかと」
そう言いハミルは、ポケットから一通の手紙を取りだした。
そしてハミルはその手紙をトウマに渡す。
「ああ、そうでした。この手紙をトウマ様に渡すよう、ラガ様に言われていたのです」
トウマは、その手紙をハミルから受け取ると、口に出さず読んだ。
「……これって!?」
その手紙には、トウマに対する御礼と、パーティーへの招待文が書いてあった。
(お礼がしたいので、屋敷にきてくれって書いてある。
本当は、パーティーに出るの面倒だし、いきたくない。
だけどハミルさんは、直接きいた方がいいて言ってたしなぁ)
「分かりました。おうかがいします」
トウマがそう言うとハミルは、ホッと胸をなでおろした。
「トウマ様、お待ちしております。では、そろそろ屋敷に戻らないといけませんので」
ハミルは、トウマに軽く会釈をすると、部屋からでていった。
その後トウマは、パーティーにいくための準備をはじめ支度がおえると、今日あったことを通信用の水晶のペンダントでクリオネアに連絡をする。
そしてトウマはウッピィと話をしながら夜を待った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます