13》♠︎村長の娘を助ける〜決着と鉢合わせ〜♠︎

 トウマが山賊のボスを倒した頃。ウッピィはマリエスの肩の上で、迫りくる山賊たちをまち構えていた。


 マリエスは、迫りくる山賊たちに対し、恐れおびえている。


 山賊たちがマリエスの方へと近づいてきていた。


 ウッピィは攻撃するタイミングをはかっている。


 そしてウッピィは、山賊たちが射程圏内に入ったことを確認すると、頬袋にためていたナッツを口からだし砕き、再び口にふくんだ。


(これが上手くいけば、後はトウマがなんとかしてくれるはずです。……)



 そうウッピィは、トパタパス村のカフェで食べていたナッツのあまりを、頬袋にたくわえていたのだ。



 山賊たちが側までくると、マリエスはおびえ後ろに退いた。


 ウッピィは今だと思い、マリエスの肩から太めの枝に飛び移り、山賊めがけ噛み砕いたナッツを口から飛ばした。


 山賊たちは、砕けたナッツが無数に飛んできたため動けなくなり、その場にとどまり払いおとした。


 そして、ウッピィはすぐさま枝から枝へと飛びうつり、反動をつけ勢いよくけると、そのまま体をまるめ横に回転させた。


 するとウッピィは、そのまま右から順々に、山賊たちの顔をけっていった。


 山賊たちは、ウッピィに顔をけられ、あまりの痛さに泣き叫んだ。


 ウッピィは、すべての山賊の顔をけった後、地面に着地すると、マリエスの肩にピョンと飛び乗った。



 だが、ウッピィの作戦は、これで終わりではなかった。そうその時すでにトウマは、ウッピィが動いたと同時に、山賊たちの方へと駆け出していた。



 そしてトウマは、山賊たちの背後から少し手前で立ち止まり、待機していた。


(これなら、楽に捕まえる事ができる)


 トウマは、ウッピィの攻撃が完了したことを確認すると、山賊たちに狙いを定め両手をかざし、


 《ビッグロングチェーン!!》


 そう唱えると、山賊たちの真下に大きな魔法陣があらわれ、大きく長い鎖が出現した。


 そしてその鎖は、山賊たちに巻きつき縛りあげた。


 マリエスは、何が目の前で起きたのか分からず、ただ呆然とその光景をながめていた。


 その後、トウマはマリエスの方へと歩きだした。


 すると、マリエスの近くの茂みがガサガサと揺れ、そこからレックスがあらわれた。


 トウマは新手の敵かと思い、鞘におさまったままの剣をもち構えた。


(まだ他にもいたのか。……)


 レックスもまた、トウマがマリエスを捕らえようとしていると勘違いし、剣をぬき構えた。


(こいつがマリエスを……)


 そしてトウマとレックスは、にらみ牽制し合っていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る