第4話 おじさんが女子高生に初めて夕食を作るようです②

スーパーマーケット・・・それは魔境さ・・・

どんなにまじめな奴でもふとした瞬間に魔が差しちまう・・・

そんな魔境のケルベロス門番をになうこの俺・・・



万引きGメンがいる限り悪は栄えない!!!



今日も俺の邪眼が輝くときだ・・・

めぼしい獲物を入店口で張り込む。これが俺の長年の経験からやってくる定石さ・・・


ーーーーティロリン♪ーーーー


入店音とともに自動ドアが開く。どうやらOKYAKUSAMA☆が来たようだ。

さぁ・・・今日の獲物はどいつだいっ!?


「(おーけっこう中が広いスーパーだなぁ・・・。)」

「(雪城ユキシロさんが喜ぶもの作ってあげたいなぁ。)」


なっ・・・なんだあいつは!?あの体格もさることながら、あいつの顔は・・・!?

俺にはわかる・・・あいつは裏の世界の人間だっ!

ほかのやつらならごまかせたかもしれないが俺にはわかる。あいつの目はいくつもの修羅場を乗り越えた人間の目だ。

こいつぁ~面白くなってきた・・・!

おれの万引きGメン歴15年がこいつは万引きやるとおれの第六感シックスセンスに語り掛けてきやがるぜ・・・!


「(雪城ユキシロさんお腹すかせてるかもだから、ゆっくり見るのはまた今度にして今日は手早く買い物を済ませようかな。)」


ーーーースタスタスタ・・・----


ばっ・・・馬鹿な!?奴の動くスピードが上がった!?

まさか可変移動式歩行術早歩きの使い手だとでもいうのか!?

くそっ今回はかなりの強敵のようだな・・・。


「(調味料は引っ越すときにきちんと送っといたから買わなくても大丈夫だけど・・・)」

「(醤油がすごく安い!うわ~どうしよう・・・まだ残りあるし、買うか買わないかですごく悩むな・・・)」


なっ・・・なんて無茶しようとしているんだ・・・!あの醤油は1リットルサイズだぞ!?

そんなもん懐にしまえば一瞬でO☆NA☆WAについちまうぞ!

こいつ・・・だがこいつならもしかしたらやっちまうんじゃ・・・


「(まだ残ってるし、今は買わなくてもいいかな?)」

「(また安くなるかもしれないし、近所にいいスーパーがあってラッキーだなぁ・・・フフッ♪)」


・・・・!?バっ馬鹿なアアアアアア!?

醤油を戻すときに笑ったあの笑みは・・・なんなんだ!?

あの邪悪でこちらを見下ししたような笑み・・・


まさかこの万引きGメン歴15年の俺に気付いたとでもいうのか!?

なっ・・・なんなんだいったい何枚俺より上手なんだ・・・?

勝てるわけが・・・・ない・・・・・

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーー

ーーーーー

はっ!?しまったあまりの強敵を前に意識が飛んでしまっていた!?

や・・・・奴はどこに・・・!


「(買い物終わり!早く帰って夕飯作らないとなぁ)」


なっなにーーーーー!?もう会計を済ませて店を後にしているじゃないか!?

くっ・・・くそ!なんてやつだ・・・だが次はこうはいかないZE☆

必ずお前を捕まえて見せる!万引きGメン歴15年という経歴をかけてな・・・!



これが万引きGメン界隈で長く語られ続ける伝説の幕開けだった・・・

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る