第3話 助ける
一方、私達は啓を見つけて暁月さんが待っている教室に向かっていた。
しかし、啓が途中で止まって変身する。
「...ケイ?」
「前、僕らがやり損ねたウワサが団長達の教室にいる!」
「え、それってまさか...」
「暁月さんが危ない!」
急いで電話をかける。
「もしもし?暁月さん?」
「み、三來ちゃん...」
「あ、暁月さん?...何かあった?」
「た、助けて...!私しかいないはずの教室から声が聞こえてくるの...!」
「...今すぐ行くわ」
電話を切ろうとした瞬間に、携帯を落としたような音が聞こえた。
...一刻も早く行かないと...!
「三來ちゃん...」
「啓が言ってた通り、事態は深刻だわ。急いでいきましょう」
変身をし、急いで教室へ向かう。
幸い、近くまでいたおかげで案外早く到着できた。
教室のドアを勢いよく開け、暁月さんに近づいているウワサや周りのウワサ共々を抹殺する。
私と朔来が近距離の武器、短剣とハンマーを使い、朔磨と啓は遠距離の武器、毒入りポーションと弓矢で私達を援護する。
まだなりたてなのか、あっさりと片付き、“本”にならなかった。
「み、三來ちゃん...?朔羅ちゃん...?朔磨くん...?」
なにが起きたのかわからない感じの暁月さん。
変身を解き、彼女に近づく。
「遅くなってごめんなさい。怖かったでしょ...?」
「み、三來ちゃん...だよね...?」
「ええ、そうよ」
「今さっきのは...」
「あれは“ウワサ”」
少し落ち着いた時に、暁月さんに“ウワサ”について説明をする。
ついでに、“怪談”についても説明した。
ふと彼女の手先に触れた時に凍傷になったような傷痕があったので、私の“力”で傷を癒す。
「あ、ありがとう...って事は、三來ちゃん達ってその...“ウワサ”とか“怪談”を倒している人達?」
「うん。さっきみたいな奴らを倒してるんだよ!」
「怖く...ないの?」
「そりゃまぁ怖いさ。だけど、倒さねぇとみんなが困るし、被害に遭う。俺達は、街を守る為に彼奴らと戦っているんだぜ」
みんなを守る為に...もう二度とあんな...あんなことにならない為に私達は戦っている。あの時から、私達は...
「...三來、お前またやってるぞ」
啓に言われて自分の手を見ると...引っ掻いてしまったのか血がじわじわと出てる。
「三來ちゃん?!え、その傷って...」
「大丈夫。いつものことだから」
「い、いつものこと...」
「ええ、そうよ」
終わるたびに引っ掻いてしまう。
ダメだと思っても、やってはいけないと思ってもどうしても無意識にやってしまう。
「...わかるよ...その気持ち。私達も同じ境遇だし..だけど...あまり思いつめちゃったら...」
「ありがとう朔来。大丈夫よ。これは...私の問題だから」
...私のせいで雰囲気が暗くなってしまった...
「はいはい、暗い話はおしまい。自己紹介しないと日が暮れちまうぞ?」
「あ、そうだった!」
と言って、自己紹介を始める。
あ、私からだった...
「改めましてよろしく。私は
「
「俺は
「三人とは別クラスだが、
「わ、私は暁月彩芽。前の学校ではアヤって言われてたの。よろしくね」
アヤ...なんか...何処かで聞いたことのある気がする...
...何処で聞いたことあるんだろう...?
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