摂理の破壊者〜ステータスが低く見えるバグでギルドを追放されたけどオーバーフローしたステータス(4294967295)を得たのでこのクソみたいな世界とルールをぶん殴ります。今更止めてももう遅い。〜
最終話 摂理をぶん殴れ (9)その魂にサヨナラを
最終話 摂理をぶん殴れ (9)その魂にサヨナラを
「そんな!!そんなことがあっていいのですか!?」
ミアが嘆き、頭を抱えながら叫んだ。
「私の!!この私が!!私のような素晴らしい人間が!!神に選ばれし者が!!こんなオチなんて!?」
「選んでないっつーの。」
ストレアがうんざりしたように言った。
「自業自得だな。どれ、お前の好きなステータスでも見てやろう。」
レイは腕を組みながら今のミアのステータス画面を開いた。
LIFE: 1
STR: 1
INT: 2
DEX: 1
VIT: 2
AGI: 1
LUK: 1
SP: 2
「ぶぁーっはっはっはっはっは!!なぁにこれ!!ゴースト族の中でも最低ランクよ!!」
ストレアがステータス画面を指差して爆笑した。
「まぁ、ドンマイ。新しい人生をーーいや、魔物生か?頑張って生きていくんだな。」
レイは憐憫の目でミアを見つめながら言った。
「やめろ!!やめろ!!その目で見るな!!私を笑うな!!」
叫んだが、無駄な事は分かっていた。
魂牌流の技でも、ここまでの低いステータスでは変更のしようがない。
元々はミアとミカのステータスが同時に加算されており、常人のステータスよりも高かったからこそ様々な変更が叶ったのである。
勿論、他にも技はあるし、ステータスが低くても使える技はある。
だが、今のミアにはそこまで頭が回らなかった。
それはステータスが原因ではない。単純に、激昂によるものであった。
「許せない!!許せない!!お前達だけは殺す!!そこの、勇者だけでも!!」
そう叫びミアは、魔王を倒し作戦を遂行出来た事でへたり込んだブレイドに向けて宙を駆けた。
「させねぇよ。」
その動きに反応してレイがブレイドの前に立った。
「見逃してやろうかと思ったが、仲間に手を出すなら話は別だ。」
「どけ!!ゴミクズが!!何も変えられないお前が世界を変えた私に歯向かうんじゃあない!!」
「煩えよ。お前が世界を変えた?確かにそうだろうな。だがそんな世界、」
レイは拳に力を込めた。
ジョセフから受け継いだ力を。
皆の心を。
「オレが!!正す!!」
そして拳を前に打ち出した。
パシュァッ。
軽い音と共に、レイの拳がミアの頭を貫いた。
「ーーア゛ッ」
魂牌流奥義・
レイはジョセフから教わった時、誰に使えばいいのかと聞いた事があったのを思い出した。
ジョセフはその時こう言っていた。「こいつだけは許せない、許してはいけない。お前の心がそう叫んでいる時に使え。」と。
まさしく彼女はそれを実行した。
「アア嗚呼鳴呼亜嗚呼消える消える消える私が消える!!」
悪しき魂が断末魔の叫びを上げた。
「消えろ。お前が変えた世界は、オレ達がきっと
「オオオオオオ覚えていろ!!いつか、必ず!!お前に……」
「復讐は無理よ。」
ストレアが冷徹に言った。
「ゴーストになった以上、アンタの魂はもう輪廻しない。アンタの意志はここで消えて、別の魂へと生まれ変わる。記憶は決して引き継がない。その記憶は消滅する。確かにいつかレイもアタシも死ぬかもしれない。それは病でかもしれないし、魔物によってかもしれない。でもアンタではない。アンタがアタシらを殺す事は、今この時点で永久に不可能になったのよ。」
そして満面の笑みを浮かべた。
「ざまぁぁぁぁぁぁぁぁぁみなさい!!アタシのシステムを!!アタシの世界を!!好き勝手に弄った罰よ!!」
「ウアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!」
苦悶の表情を浮かべ、ミアは叫んだ。
その叫びが止まった時、ミアの体と魂は、完全にこの世から消滅した。
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