幕間・4 蠢く影
二人の男が、薄暗い広間で話している。
「あれ、ゲート、消えたね。」
広間に先程まであったモヤが消えた事に、一人の男が疑問を投げかけた。
「申し訳ありません。どうも向こう側でトラブルが起きたようです。更に触媒変更の摂理も使えなくなりました。」
「ふむ?何があったんだろう。」
「ともすれば、神が何か動いた可能性もあります。」
すると疑問を投げかけた男は、狂ったように笑い出した。
「ヒヒ、面白い。ヒヒヒ、神?ヒヒヒヒヒヒヒ。そんなもの、居るわけないじゃあないか。居たとしたら、僕なら憤死するね。何せこれだけ狂った摂理ばかりの世界を作ったのだから。」
「お、仰る意味は理解出来ます。ですが、摂理を変えられるのも、また神だけかと。」
すると男は急に笑みを消した。
「ふむ。それは確かに。お前の言う通りだね。……とはいえ、此方でどうこう出来る話でもないし、神もそこまで介入はすまいよ。過去の歴史を紐解いても、神は基本平等だからね。人間も動物も魔族も、どれにも力添えをしたりはしていない。」
「でしたら……。」
「ああ。お前達は引き続き、摂理の研究を進めたまえ。新しい摂理が見つかったらテストといこう。早めに頼むよ。僕もあまり時間が無い。知っていると思うけどね。何せ僕も、摂理を曲げられた一人だから。」
「存じております。ーーー魔王様。」
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