UMA UMA UMA

「あんた!ツチノコだで!ほらそこ!ツチノコだで!」

「ほんまか!?よっしゃ……おら!捕まえた!ついに捕まえたで!!」


 二人は少し変わった夫婦で、結婚したころから一獲千金を夢見ており、暇さえあれば森へ入りツチノコを探しておりました。仲はいいのですがあまり性格はよくなく、周囲の人からは、『意地悪爺さんと意地悪婆さん』と呼ばれていました。


「とりあえず、捕まえたけどこれはどこに持ってけばええんやろか?」

「うーん……捕まえた後のことは考えとらんかったな……どないしよか?」


 とか言いながら頭を抱えておりますと、ラジオからニュースが流れてきました。


『本日、世界各地、至る所で幻の珍獣、すなわち"UMA"が発見されました。中国では太歳、アメリカではチュパカブラ、我が国でもツチノコが多数発見されました。UMAは早速オークションに出され、世界中の富豪により高額で取引されています』


 爺さんと婆さんは顔を見合わせました。


「聞いたかい?爺さん?オークションが始まっとる!こうしちゃおれんで!!」

「聞いた聞いた!どうすべどうすべ?とりあえず役所に持っていくべ!!」



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 地球から遠く離れた銀河系で生活している宇宙の地上げ屋、ゴゴロゴ星人。遠くから地球の様子を覗いていました。


「どうだ?珍獣型爆弾は世界中に行きわたったか?」

「はい!オークションで競り落とされ、経済の中心を担う富豪の手元に行きわたったようです。他にも人の集まる場所で展示などもされてます!」

「いや、しかしこの爆弾は優れものだな。その土地土地に根付いた伝説の生き物に形を変えるんだから」

「地球のいろんなところで爆発が起きて大パニックですよ。しかし、よく考えましたな。地球の美しい自然や多種多様な生物は出来るだけ傷つけず、文明を持つ地球人だけ駆逐するなんて」

「そうしないと地球の値段が下がるからな。人口が半分くらいになり、大混乱になったところで攻め入ろう。しかし我ながらナイスアイデアよ。……それにしてもツチノコねぇ……未確認の生き物をよくあんな風に扱えるな。地球人ってのは繊細なのか大胆なのかよくわからんよ」

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