異世界転生者に付き合う先住者たち
「また異世界転生希望者か……」
「一体どうなってんでしょうね」
「また、あれだろ?異世界転生して、あれ、なんだ?あれ」
「チート能力?」
「そう、それだ!異世界転生って言うけどな。そんな都合よく生まれ変わろうとするのが間違いなんだよ」
「そのために我々がその都度新しい異世界を作って、ヒロインを作って悪役を作る。ほんと一苦労ですよ」
「大体、今自分がその世界で生まれてきたことがすでに奇跡的なことなんだ。その世界での生活を放棄して異世界転生とは虫が良すぎる」
「しかし、そろそろ世界ファイルの空き容量がなくなってきてますよ。異世界もそろそろ作れなくなります」
「そうだな、ここらで整理をしないと容量オーバーで取り返しのつかないことになりそうだ。選別して少し異世界の数を減らそう」
「ですが、消される世界の住人は納得しますかね?」
「大丈夫だろう、異世界を楽しんでるのなんてどうせ主人公だけだ。他の連中はいきなり現れたチート能力者の引き立て役にされちまったんだ。おかしいと思わんか?彼らは自分の世界で精いっぱい生きてきてたやつらばっかりだよ。そいつらは後日改めて出来るだけ平等で、チート能力などない世界に新たな命として誕生させてやろう。」
「それは名案ですね」
「理不尽なチート能力など存在しない世界。……異世界転生希望者はそういった世界を嫌うが、努力次第で豊かになれる世界に誕生させてやろう。本来それこそが世界の正しい姿だと思うんだがな……」
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