第11話

しかし現実は甘く無い。

じゃあ勉強に専念できるかって言われればそんなことはできないのだ。

生活のためにも仕事をやめるわけにはいかない。

私、医学部に行きたいから勉強のためにーって仕事を怠けるわけにもいかない。

仕事を怠けて私が困るならいいんだが、教職の場合、困るのは子ども達なのだ。

担任が力を抜けばその皺寄せは全部子ども達にくる。

仕事終わりに眠気と戦いながら30分だけ机に向かう…そんな生活が続いた。

夏休みは全力で勉強した。


でも




落ちた。筆記すら通らない。

当たり前だ。勉強してないんだから。


わかってるよ、でも


受かりたかったなぁー…







ここまでだな。


私は思った。



これ以上は、無理だ。

教職の少ない給料では貯金もなかなかできないし、勉強時間とれないし。

もう、無理だ。

もう、いいじゃないか。

楽になりたい。



大学の時も、教職についてからもずっと思ってた。

まわりはみんな遊んだり結婚したり、充実しているのに、何で自分だけこんな頑張ってるんだろう。

卒業旅行も我慢したし

休みの日も勉強だったし

好きなものも諦めたし

お金は勉強に注ぎ込んだし


もういい。

20代を楽しもう!!!


初めから無理な話だったんだよ


以上!!!!



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