第10話

さて、本題に戻そう


なんだかんだで教職についた私だったが、ずっと心に引っかかっていることがあった。

教職は楽しい。子どもも好き。保護者との会話も好き。

だけど…

私は本当に子ども達の力になれているのだろうか?

ただの自己満足じゃないか?


学校には色んな子ども達がいる。

問題の無い子どもなんかいない。

普通の子なんていない。

子ども達それぞれに背負っているものがあり、悩みがあり、考えがある。

だからこそ、だからこそ、辛くて、悲しくて、楽しい。


色んな子に出会ってきた。

発達障害、アレルギー、精神疾患、虐待、いじめ、不登校、、、

じゃあ私はこの子達を救えたのか?


救えなかった。

詳細は個人情報漏洩になるので省くけれど


救えなかったんです。


子どもから痛いほどのSOSを受け取りながら何もできなかった。

何故か?

私には知識も技術も無かった。


優しさとか愛情で人は救えない。

人を救いたいなら、それなりの知識と技術を身につけろ!!!


某アニメのセリフがずんっと心に重く乗っかっていた。


ああ、私

知識が欲しい。

技術が欲しい。

ちゃんと子ども達と向き合えるようになりたい。


もう一度、やり直そう。

やっぱり私は

医学部に行きたい。

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