第3話

あー、色んな意味で終わったな。

これで補習とかだったら本当最悪だ。


あ、そうそう。

本当は今日の体育の話とか、色々語りたかったんだけど、このままだとただの私の日常を追うだけのストーリーだと思われちゃいそうだから、結構飛ぶけど時間を朝から一気に帰りのホームルームまで飛ばすね。


やっぱ何事も掴みが大事ですから。


そんなこんなで、帰りのホームルーム。

担任が教室に入ってきた。


「おーい、お前ら。静かにしろー。

全員座れー。


(話長いので中略)


じゃ、最後に今日の補習のメンバーを発表しまーす。

山本、田中、高橋、松崎。

くれぐれも、逃げて帰ることのないように!」


あぁー、まじ最悪だ。


高田がニヤついて話しかけてくる。


「おい、お前。補習かよ。だっせー」


「うっさいな。今回はたまたまなの!あんただってたまったま補習じゃなかっただけなくせにっ」


「こら、松崎。静かにしろー」


「怒られてやんの〜」


更にニヤついた顔で高田はそう言った。

はあ、、、。

高田見てるとさ、現実はこれかって思い知らされるよね。朝のバスで会う美少年とは大違い。


嫌々補習を受け、バイト先へ向かう。

バイト先は地元近辺ではおしゃれで有名なカフェ。ラテアートが有名なの。

店員は高校生と大学生がほとんど。

結構ミスばかりしてしまうし、ラテアートもまだまだ修行中。でも、一生懸命頑張ってるよ。


裏口の扉を開けると、そこはすぐ休憩室になっている。

もえね先輩が笑顔で話しかけてくれる。


「おー、思ったより早かったね!補習お疲れ。あいり」


「お疲れ様です。遅れてすみませんでした!」


「いやいや、大丈夫だよ〜。店長も全然気にしてなかったし。今日って、ラストまでだよね?」


「はい、ラストまでです!宜しくお願いします」


もえね先輩は美人で優しくて私の憧れだ。

そういえば、もえね先輩ってK高だったような。もしかして、美少年と知り合いだったりするかな、、?


でも、なんて聞けば良いのかな。毎朝同じバスに乗っているK高の生徒らしき美少年知ってますか?とか絶対に伝わらないし。


あ、そうそう。まず確認。


「もえね先輩ってK高でしたっけ?」


「うん、そうだよ〜」


「K高ってめちゃくちゃ優秀ですよね!凄い!それでこんなに美人だなんて羨まし過ぎる!!」


「え?そんな事ないよ。私より全然美人な人だって沢山いるしね」


こんな女優レベルの美人、そんな簡単にいるわけない事くらい馬鹿な私にも分かる。それなのに謙虚で中身まで素晴らしい。見習わなくては。


そして、ここから先なんて話を進めればいいのか分からん。


「あ、あ、あのっ!K高にすっごいかっこいい人っていたりします?」


「え、なに急に?あいり彼氏でも探してるの?紹介して欲しいって事?」


「いや、全然そういうのではなくて!いるのかな〜って気になって」


「まあ、いるよ」


「え、お名前なんて言うんですか!!」


「え?言っても分からないだろうけど、大我。川西大我。あいつは学校中の女子からキャーキャー言われちゃってるねー」


「学年は?」


「3年」


3年生かぁ。先輩なんだ。


「ついでに、その方のお誕生日と血液型も教えてください」


「いや、何で?!私も知らないよ流石に笑笑」


大我先輩。

いつか、面と向かって呼べる日がくるのだろうか。

そんな事を考えている今の私、おこがまし過ぎるね。

この日はラテアートの練習をクローズ後に沢山して、お店を出る頃には23時を回っていた。



やたらと綺麗な満月の夜だった。


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