外交
壮年の男は、複数人いる村の長のうちの一人らしかった。
絶対に暴力を振るわないようにと部下に
建物の中には動物の骨や牙などが飾られており、今でも狩猟生活をしていることが
イェードがアザトを示し、最も重要な人間を説明する。
「こちらはアザト国王。
国という、大規模な集団の長を務めている、大変立派なお方です」
「頭の良さそうなお顔をしていますな」
長はアザト国王を見て一礼し、イェードに向けて話しかける。
「私も話せるぞ」
「これは、驚きました」
「そこのイェードも、元はこの辺りか、さらに奥地からの出身だ。
肌の色などでわかるだろう」
白い肌に
「かなり様変わりしていて、生まれ故郷がどの辺りか、もはやわかりませぬ。
この眼で再びみれば違うのかも知れませんが」
イェードはややしんみりした様子だった。
談話もほどほどに、話が進む。
イェードが口を開く。
「我らがゼロ国は、屈強な軍隊を持っています。狩りや戦いを専門に行う者たちです」
「
長がそう言う。
アザトも自信たっぷりに言う。
「我らは
「それが本当なら、心強い話ですな」
長たちは
「ここもそれなりに大きな集落だが、もっと大きな集落はあるのだろうか?」
アザトが問う。
「ええ、この集落をいくつも
最近は竜に荒らされていて、戦力が不足しています」
「イェード」
アザトが言うと、イェードの碧眼が
「わかりました」そう言うだけで伝わる二人だ。
「助けに行こう」
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