虐殺
大量の矢が放たれる。ほとんどは遠くからでも撃ち込めるゼロ国・イェード軍の
その集落に居る
見てわかる通り長い
イェード軍五〇〇〇人は僅かな死傷者で、約四〇〇〇人からなる敵部族を打ち破ったのだ。
ほぼ遠隔兵器のみで、
集落は
正規兵を失った
逆に
勝手に争いが起きている様子を遠巻きに見ながら、イェードが指揮する軍は北側から更に包囲網を狭め、一部の精鋭がイェードに率いられて集落内部へと侵入していった。
イェードは、実際の目で見たその景色に、眉をひそめた。
狂ったように近づいてきた、奇声を上げる兵士らしき男はイェードのファングボーンを使うまでもなく、彼の持ち物であったナイフを投げられ、頭に突き刺さって殺された。
「ひどく
これは皆殺しの現場だ」
集落内部では、酷い方法で殺された死体がいくつも転がっていた。
苦しめられ、
服装でわかるが、一般の者もいるし、軍人と思しき者もいた。
「内乱でしょうか」
「多分な。
一旦引き上げるぞ。
これ以上は見ていられない」
イェード隊は警戒しつつ、
「我々も多くを殺したが、この集落そのものではない」
吐き捨てるように、イェードはそう言った。
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