第8話 モッツアレラチーズのトマトオムライスとパフェ(5)

お風呂から出るなり、私はベッドへダイブした!


(今日はすごい1日だった…。)


そんな事を思いながら、携帯で少しだけネットサーフィンをしていると、うつらうつらと次第に眠気に襲われて、私は半分夢の世界へ行きかけていた。


…だが、


――コンコン


何かを叩く音に驚いて、現実世界に引き戻された。


なんとか眠い目を擦りながら、寝室のドアの方に目をやると、そこにはパパが居た。


パパ「心美、スキンケアちゃんとしたの?」


私は眠過ぎて頭が追いつかない…。


心美「え…?何…?」


パパ「だ~か~ら~、スキンケアした?」


心美「スキンケア…?」


パパ「そうよ~!スキンケアはお肌の潤いバランスを整える為には、絶対レディとして必須よ!きちんと保湿しないと、シワの原因になったりお肌の老化が進んじゃうんだから!」


心美「化粧水ならちゃんと使ったから、もう寝かせてよ!」


パパ「化粧水だけじゃダメよ~!乳液もちゃんと使った?」


私は眠かったが、パパがあまりにもしつこいので、ベッドから体を起こした。


心美「私、眠いから寝たいんだけど…。」


パパは私の話をスルーして、次の話を続けた。


パパ「化粧水だけだと、お肌にせっかく入れた水分が蒸発しちゃうから、お願いだから乳液もちゃんと使って~!」


そう言うと、パパは何やらポーチからボトルを取り出した。


パパ「はい♡パパのスキンケアセット貸してあげるから♡」


手渡されたスキンケアセットを見ながら、私は一瞬ドン引きしてしまったが、このままだと眠らせてくれなさそうな雰囲気なので、パパの指示に従って乳液を塗った…。


心美「これで良い…?」


私は、パパを睨みつけながら言った。


パパ「OKよ~!化粧水の後は、乳液を必ず使った方が良いわよ~ん♡ちなみに、美容液を使う場合は、化粧水の後に、美容液、乳液の順番で使ってね!液状の物から先に使うのよん♡」


パパは、さも自信満々に解説してくる。


心美「分かったから、もう出て行って!」


私はパパを追い出すと、そのまま落ちるように眠りについた。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る