第2話

あねさん」


「はいはい」


「新しい拳銃届いてますよ」


「ちょっと待ってね」


 ご丁寧に、武器商人ブローカー本人が運んできているらしい。トラック一杯に、銃器が積まれている。


「ひい、ふう、みい」


「お好きなものをお使いください。全部、良品ですよ」


「いくら?」


「7800万ですね。これ全部だと」


 あともう1セット欲しいな。


「あっ。いまもう一揃え欲しいと思ったでしょ。あるんですよ」


 もう一台、警察署にトラックが入ってくる。


「2セット目は、なんと半額の3900万円です」


「買うわ」


「お買い上げありがとうございます」


「弾はサービスよね?」


「そう言われちゃあ、サービスするしかないですね。戦闘カチコミですか?」


「まあね。町の裏側を少し」


「では、領収書を」


 お上、とだけ書かれた領収書を受け取った。


 トラック。


 ひとつずつ、銃器の確認を行う。たしかに、良品だった。


「姐さん。また買ったの?」


「いいじゃない。減るもんでなし」


 まして、自費でもない。全部総務省持ち。


「こんな町じゃないと、銃撃戦ドンパチはできないのよ。せっかくなら派手にやりたいわ」


「姐さん好戦的」


 警察官をやっている。

 あまりに成績が良すぎたので、ここに飛ばされてきた。


「通報です」


 部下。無線に応えている。


「南地区の在形さん宅から」


「了解。わたしが行くわ」


「了解しました。装備は?」


「そこそこ武装して行こうかな」


 もしかしたら、町の裏側連中と鉢合わせするかもしれない。

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