〜魔物を殺せない社会不適合者の俺は、ずっとレベル1のままなのになぜか魔物のキングになりました〜

第54話 乙女心とデリカシーのわからない俺は、とうとう黒くて硬い女をマジにさせてしまいました。

　ピコン！

【ちなみにタケシくん、ウンコ姫のことどう思いますか？】

「そりゃあオメー、あれだ。まだよくはわかんねーけどよ……、その」

　なんてんだろ？　わかりにく……、いや、言いにくいな。

【その？】

「……いい奴だと思う」

　くそっ、なんか恥ずいんだよなこういうの。

【わたしもそー思いますよ(ㆀ˘･з･˘)】

「そりゃあ……」

　よかった。

　なんだろ？　自分がいい奴だって思う奴のことをさ？　別のいい奴が、『いい奴だ』って言ってくれるのってなんか嬉しいよな。

　……んなことこいつに対して口に出しては恥ずかしくて言えねぇけどよ。

　ピコン！

【なんですかそんなにニヤけて、わたしと同じ気持ちだったのがそんなに嬉しいんですか？( ´∀｀) チョーキモいですね( ´∀｀)】

　ウゼェ上に察しいいな……。

　ピコン！

【さて、ここで問題！　まずはタケシくんの大っ嫌いな人の顔を思い浮かべてください】

「……んだよいきなりよぉ」

　うーん、嫌いな人ねぇ。多分ナンバーワンは、中学ん時一個上だった村島だな。……あいつ俺が気にくわねぇからってよ？　直では俺になんもいねーで陰でコソコソ俺のダチイジメんだよな。

　……思い出したらマジムカついてきた。

　ピコン！

【では問題！　タケシくんはある日、そんな大嫌いなアイツがウンコ姫をイジメてるのを見つけてタケシくんは大激怒！　ウザいアイツに罵詈雑言を浴びせます】

「いや、罵詈雑言どころか半殺しだけどなんなもんよぉ」

　てか問題てなんだよ偉そうに。

　……まあいいや、そこまでムカつくシーン見て口だけで済ませる程自分をコントロール出来る自信がねー。

　魔法でチン○をほうれん草のお浸しに変えてやろうそうしよう。

　ピコン！

【そしてそんなタケシくんを見たウンコ姫は一言、「ちょっとアンタ言い過ぎじゃない？」って！】

「んだとテメー！」

　キュイン！

【あったりー！♪(´ε｀ )】

　ムカつくなぁ。ってか当たったらキュインてスロットかよ。

　チャッチャラー！

【ビッグボーナスはなんでわたしが長々とタケシくんにこんな質問をしたのかの理由の発表です！　ドロドロドロー……(о´∀`о)】

　うぜぇな。

　キュイキュイン！

【答え:タケシくんはウンコ姫に何をしてしまったんのかよく考えて見てください】

　……俺がマーシャルにしたこと。

　うーん。

　サボりに付き合って、ウンコの話して、オヤジが殴り込んで来て、それにブチ切れたマーシャルが駆けつけてきて、その言い草が親に向かってにしちゃいいす……あっ。

　ピコン！

【気付いたみたいですねʅ（◞‿◟）ʃ】

　……なるほどなぁ。立場を逆にした追体験を俺に想像させて、感情的に入ってきやすくさせてくれたってことか。

　こいつ、頭いいな。

　キュキュキュイン！

【それではサービスタイムです♪ タケシくん、どうしてさっき、『言い過ぎ』って言われた時ムカついたんですか？】

「そりゃお前……」

　あれ？　なんでだろ？

「うーん……」

　あれ？　おかしいな。俺ってそこまでバカだったっけか。

【大丈夫、ゆっくり考えてみてくださいね。難しいことなんですから、……タケシくんには(ㆀ˘･з･˘)】

　このやろう。

　……まぁいいや。『言い過ぎじゃない？』

　がムカつく理由ねぇ。

　けどそりゃフツーに。

「そりゃでもフツーにムカつくべ？　急にしゃしゃり出てきやがってってよぉ」

　ピコン！

【まぁそれもあるでしょう。けど、タケシくんはウンコ姫にそんなことで、あんなに傷ついた顔してまで怒りますか？】

　……しねぇな。そんなもん、ちっとムッとすんくれーのもんだろう。

　うーん。

「けどあれなんじゃねーの？　それは俺が男なんだからっての？　ほら、俺ぁ女心とかあんまわかんね……」

　バゴン！

「……ったぁ、何しやがる！」

【あぁ？(๑•ૅㅁ•๑)】