第53話 バカでバカでどーしょーもない俺は、またまた人情溢れた黒い板に慰めてもらいました。

『流石に言い過ぎなんじゃねーの?』


 言ってしまってから『あっ』と思う。


 失言が耳に届いたマーシャルからピリついた空気が届く。


「……」


「あ、いや」


 俺はこいつのことを何も知らない。


 ここ数日ウンコの話なんかで言い争っちゃあいたがまだ知り合ったばかり。


「……帰るね」


 言いながらさっと右手を上げながら“まるでいつも帰る時“みたいなペースで歩き始める。


「おい、バイク、……気に入ったんならまだ乗ってても」


「いらない」


 ピシャリと遮られた俺は、黙ることしか出来なかった。


 俺は、あいつのことを何も知らない。


卍卍卍


「……はぁ」


 親分に貸してもらってる小屋の中、俯き1人ため息をつく。


 別に大したことではないのかも知れない。


 友達にちょっとヤな事言っちゃって怒らせる。


 そんなのは生きてりゃよくあること。


「けど……」


 何かが引っかかるんだよなぁ。


 目を閉じると、あの時のマーシャルの急に表情の消えた横顔が何度も浮かんでくる。


 それがなんだと言われれば、なんなのかさえわからない。


 けど、なんか気分は晴れないし、その事ばかりが思考の中をグルグル回る。


 なんかそんな時ってあるよな。


 ピコン!


【暗いですねぇ♪(´ε` )】


「んだよテメー、バカにしに来たんなら後にしてくれよ?」


 ピコン!


【あー(*`へ´*) せっかく話訊いてあげよーと思ったのにぃ\\\٩(๑`^´๑)۶//// ……サイテーです】



「……悪ぃな」


 ぼーっ。


 バゴン!


「ってぇ」


【バカなんですか? 話訊ーてあげるって言ってるじゃないですか(*`へ´*) 】


「……ウィン子」


 そーいやこいつも“女の子“だったな。


【どーせアレですよね? 恋しちゃったとかなんですよね? あのウンコ大好系プリンセスさんに♪(´ε` )】


「……そうなのか?」


【え、当たりなんですか?( ;´Д`)】


 マジで? 俺あいつに惚れちゃってたのか? だからそんな悩むのか? ……うーん。


「でも違う気がするなぁ」


 ピコン!


【じゃあ、なんなんです?】


 えーっと。


「俺よ? さっき、マーシャルのヤローをかなり、……怒らせたよな?」


【そーですね、でもタケシくんはいつも誰かを怒らせてますよね? ……やっぱり恋?(๑˃̵ᴗ˂̵)】


「いやぁ、そんでよ? なんでかわかんねーんだけどよ? アイツの怒った顔が頭からずっと離れなくてだな……」


【まぁ〜、結構怒ってましたもんねぇアレは( ;´Д`)】


「……だよなぁ」


 そうなんだよ。フツーにキレさせた〜とかだったらそこまで気にゃしねーんだけど、なんかメチャメチャに……


「傷つけちまったんじゃねーかなってよ……」


 ピコン!

 

【そりゃー傷ついてるでしょうね】


「……お前、わかるのか?」



【タケシくんほどのバカじゃなきゃフツーわかります】


「……そっか」


 確かに、俺は昔っからバカだったからな。引くことをしらなくて、空気が読めなくて、随分嫌われたしな。


 けど、俺が嫌われる分にはいーんだけどな。

 

【どーせアレですよね? なんで傷つけたかもわかってない的な感じですよね?】


 ……あれ、こいつ。


「もしかして怒ってる?」


 バゴン!


「ってーな! なんなんだよ?」


【それがわかるんならウンコ姫のこともわかってあげてくださいバーカ(*`へ´*)】

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