第13話 ハートの熱い俺は、ブタの親玉の話もちゃんと聞いてあげました。

「ふん、何事かと思って来てみれば、人間風情が暴れているだけか」


 ありのままを話そう。今、俺の目の前にはでっけぇ豚、10m以上、下手すりゃガンダ○くれーあんじゃねーかって豚が仁王立ちしている。


 豚(巨大)は偉そうにふんぞり返って俺を見下ろしてくる。


「おう、テメーがここの頭かよ?」


 俺の声に豚ヤロー2号はギョロリと振り返る。でっかいくせに素早い動きにちょっとびっくりする。けど、別にビビってんわけじゃねーから勘違いすんなよな?


「頭? とは何のことかは知らぬが、我はここ、レッドシグナル神殿の長、オーク・キングダムだ」


 ピコン!


【オーク・キングダム】

レベル:100

力:25000

体力:35000

素早さ:1500

知力:120

精神:222

運:15000

スキル:加速連撃・過食強化・石の家作り


「へっ、なら話が早ぇや! サタンデイ村のアホどもから飯パクんのやめろよ!」


 俺がビシッと言ってやるも、巨大な豚は頬をぽりぽりとかくとこんなことを言いやがる。


「はて? なんだその江戸っ子くさい悪魔の村は?」


「は? テメェ、自分がカツアゲカマしてん村の名前くれー覚え……」 


 言ってる途中でケーちゃんにポンポンと肩を叩かれる。


「……主人よ、サタデナイ村だ」


「……覚えてねぇことくらいはまぁあんだろーよ! けどテメー、サタデナイ村の奴らだって困ってんだぞ? サタデナイ村の奴らだってよぉ!」


「……ここぞとばかりに2回言いおって。それを言うのならば、我らだって困っているのだ」


「んだと? テメーどういう意味だ? まさかテメーいきなりバカに絡まれて困ったってんじゃねーべな? それは自業自得だからよ」


「実は我はら、神殿にある食料をサタデナイ村の連中に奪われていたのだ。今回のこれはそれを取り返しただけ……」



「嘘ついてんじゃねーよ! んなでっけぇ図体してよ」



「おぬし、……もしや、我のすがたが醜いせいで我の言うことを信じないと?」


 言いながら豚ヤローはその場に跪くと、頭を抱え出す。


「……、なんだよ」


「……いつもそうだ。我は姿が醜いからいつも悪者にされる」


「サタデナイ村の奴らだってそう。どうせ誰も我の言うことになどれ耳を貸さないだろうと高を括り、お主に食料を奪わせようとしたのだろう」


「て、適当なこと言ってんじゃ……」


 あれ? 俺、間違えてたのか?


「……いいんだ、いつもそうだったからな。我の見た目はただそこに存在するだけで人に嫌悪感を与える。誰もわかってなどくれはしないのだ」


 ……あれ? 俺、とてつもなく悪りぃことしてねーか?


「け、ケーちゃん、ど、どどどどうしよ?」


 慌てふためいてキョドる俺を見てケーちゃんは小さく頷いてくれる。


「ふむ、しかたない、なんとかしてやろう」


 そう言うと、ケーちゃんはその目(真ん中の頭の)をクワッと見開くとさけぶ。


「状況再現波!」


 叫ぶと同時に目からなんか明るいビームみたいのが出る。


 

 か、……かっこ悪りぃ。





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