LIVING BY NECK HUNTING sidestory THE GREAT TEMPEST

SEN

THE GREAT TEMPEST


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デスタ(24歳)  

カイユ(23歳)  

アネミナ(23歳) 


役表


デスタ   :

カイユ   :

アネミナ・N:









これは…二人の男の物語である。



二人の男は生まれも育ちも、争いの中に居た。





カイユ

「よ、また会ったな色男」


デスタ

「なんだ貴様、馴れ馴れしいぞ」


カイユ

「親しき仲にも礼儀有り。だぜ?」


デスタ

「誰と誰か親しいだって?お前と会うのは何回目だ?あ?」


カイユ

「12回目だ、色んな所で会うよな!同じ傭兵として仲良くしようぜ」


デスタ

「数えてんのかよ…気持ち悪いな。いつ死んでもおかしくない状況でよく言えるな。明日にはどちらかがくたばってるよ。仲よくしても意味がない。おはようにはサヨナラだ」


カイユ

「俺は死なねえよ、強えから。あと、絶対に死ねねぇ・・・何がなんでもだっ」


デスタ

「ほぅ・・・強いかどうかは知らんが、死ねないという力は強さになる。気持ちで負けては勝てないからな。・・・フッ、似てるなお前」


■SE角笛


カイユ

「おっと・・・始まるみたいだぜ。この戦いは数で押され負けるぞ。命を掛けて戦うのは馬鹿らしい、生きろよ」


デスタ

「フンッ、誰に言っている。しっかり仕事はするつもりだ…貴様こそ、生きろよ」


カイユ

「ったりめぇよ」



戦争があればいつも傭兵として雇われ、いつも同じように肩を並べ戦っていた2人の男。共に戦災孤児で、別々の教会で育った二人は傭兵になった。稼いだお金で教会にいる孤児達にと、いつも食べ物を送っていた。

戦争が起これば雇われ、いつも最前線で戦い、成果をあげる、彼等は日に日に有名になっていった。



カイユ

「デスタ、お前敵さんに何て言われてるか知ってるかぁ?」


デスタ

「興味がない。」


カイユ

「まあ聞けよ。「暴風」だとよ。お前の巨体で、あれだけの速さで押し通り斬っていく様を皆、そう呼ぶそうだ」


デスタ

「ほー、上手いこと言うな。暴風…か。悪くない」


カイユ

「ちなみに俺は…何も言われていない!」


デスタ

「なんだ?何か言われたいのか?」


カイユ

「そりゃあ名を上げたいもの!言われたいだろ!」


デスタ

「んーじゃあー・・・「馬鹿力」。どうだ?」


カイユ

「なんだそれ!カッコよくも可愛くもない!!」


デスタ

「二つ名に可愛さはいらんだろう・・・ましてや大男に」



デスタはその戦いっぷりから【暴風】と呼ばれ恐れられていた。後にいかなる攻撃をも耐え凌ぎ切り抜けるカイユを皆【大盾】と呼ぶようになった。



デスタ

「暴風のデスタに大盾のカイユ…いいんじゃないか?」


カイユ

「なんで俺だけ守るものなんだぁ?」


デスタ

「お前な…先の戦いで相手の騎士団の猛攻を一人で防いだだろ?間違いなくアレが原因だ。こっちの騎士団長がびっくりしてたぜ?裏をかかれ不意を突かれたのにたった一人で5分防ぎおった、とよ」


カイユ

「あれかー…ただ必死に敵の攻撃を受けてただけなんだけどなー…あと剣が折れたからぶん殴ってた」


デスタ

「すげぇな…確かにお前の体格なら武術が向いてそうだな」


カイユ

「もうちょい鍛えてみるか…この体!なるほどなーだから大盾か。納得」


デスタ

「しかし、同じオアスの領土で育った者として、お前とオアスを守る為に戦えるのは嬉しいぞ」


カイユ

「俺もだデスタ…なぁ……デスタ」


デスタ

「ん?なんだ」


カイユ

「俺はお前に死んでほしくない」


デスタ

「俺が負けるとでも思っているのか?」


カイユ

「そうじゃない…ただ…所詮人間だ、何があるかわからないのがこの戦場、一つの油断が死につながる」


デスタ

「あぁ…そうだな」


カイユ

「だから俺は決めたぞ、デスタ、俺はお前と組んで戦う。俺はお前の盾になる。」


デスタ

「な、なにを言ってやがる…自分の身ぐらい自分で───」


カイユ(被せる)

「いいから、背中は任せろ。あと攻撃も、な?」


デスタ

「……フンッ…面白そうじゃねぇか」



二人は協力し戦った。それからの二人は、傭兵としては異例の、3戦連続の大将首を打ち取った。その功績が認められ大帝国オアスの専属傭兵団は騎士団へと昇格し「暴風雨(ストーム)騎士団」を立ち上げた。それからもリヴィア帝国には無敗を誇る傭兵団として勝ち続けていった。ある日、デスタは育った教会を訪ねた。



デスタ

「よかった…何も変わっていない。皆元気そうだ…」


アネミナ

「もし、そこの方」


デスタ

「ん?…これは…どうされましたか?」


アネミナ

「馬車から落ちてしまって足を挫いてしまいまして…少し、お手をお借りできませんか?」


デスタ

「え?…えぇ…いいですとも」


アネミナ

「すいません…いたたっ」


デスタ

「大丈夫ですか?しかし、馬車から落ちるとは…しかも気づかれずに行かれてしまうとは…フフッ…ん?騎士のような恰好をされていますな」


アネミナ

「えぇ…こう見えて私、騎士なんですよ?…貴方今笑いましたね?」


デスタ

「き、騎士様でありましたか!これは失礼を…」


アネミナ

「ウフフッ…いいんですよ、騎士の真似事をしているだけです…ほんとは怖いだけなんです」


デスタ

「この戦争が、ですか…」


アネミナ

「えぇ…こんな戦争早く終わらさなければならない」


デスタ

「もうじき…決されます。ついにリヴィア帝国との全面戦争です!勝てます!!我々なら!いぃや!勝つ!!!」


アネミナ

「…フフッ」


デスタ

「あ…す、すいません…お恥ずかしい。熱くなってしまいました」


アネミナ

「この国が好きなんですね…ありがとうございます。あなた方の力こそがこの国の源になるのです」


デスタ

「オアスは平和を歌い。平和のために戦い続けてきた。俺は最前線で見てきました。いろんな者の思いを…誰も野心など持たずオアスに居る家族の為に戦っていた…そして…死んでいった」


アネミナ

「戦いがあるからこそ闇が生まれるということがわからないのでしょうか…リヴィアは…」


デスタ

「あの国は腐りきっている…しかし騎士団の数と強さは、ずば抜けている」


アネミナ

「あなたは本当の戦士…どうか、オアスを守る為に力を貸してください。」


デスタ

「もちろんです!この身滅びようとも…必ずや───」


アネミナ

「迎えが来たようです…あ、自己紹介がまだでしたね…私はアネミナ。オアス・フィム・メヒリアム・アネミナ。オアス王国第一継承者王女です。」


デスタ

「ぅっ!??…お、おぅ!?…おうじょぉ!?」


アネミナ

「アハハハッ…面白いお方!では、これにて」


デスタ

「あ、私はデスタ!暴風のデスタです!!」


アネミナ

「まぁ…かの有名な……存じておりますー!ではまたー!!」


デスタ

「……行ってしまわれた……王女が、私を知っておられた…通り名を不意に言ってしまったが…ぁあああ!…かぁぁっ!綺麗だった~ああやべー…」


カイユ

「おい」


デスタ

「ひぃいいい!!いたのかお前ぇぇ」


カイユ

「何情けない声だしてんだ…丁度今来たとこだ。デスタ。上から招集がかかってる。呼び出されてるぞ。俺とお前」


デスタ

「あ、そうなのか…わかった」



大国同士の勝敗を大きく分ける戦いが始まろうとしていた。北の大帝国リヴィアと南の大国オアスとの大陸の統一をかけた決戦である。中心となる拠点ルエホジア城を奪取すべく攻めるオアスは全戦力を向けようとしていた。20を越える騎士団長だけが集められ会議が行われた。そして先陣を切るのは…



デスタ

「俺達、とはな」


カイユ

「今までにないぐらいの大舞台だな…こりゃ部下達も喜ぶが…」


デスタ

「不安にもなるだろうな…難攻不落と言われているルエホジアへの第一陣だ」


カイユ

「あぁ…俺達は、むしろ願ってもないがな。これに勝てば晴れてオアス屈しの四天騎士団になるだろう」


デスタ

「やるしかないな…決行は明日か…」


カイユ

「そうだな…それはそうとデスタ。」


デスタ

「なんだ?」


カイユ

「俺達が先陣を切ることが決定した時のあの姫さんの慌てっぷり…みたか?」


デスタ

「ん…あぁ…慌てて…いたな」


カイユ

「傭兵団上がりの野良騎士団なのに凄い剣幕で反対していたが…変じゃねぇか?俺でもわかるぜ、貴族の奴等が傭兵団上がりの騎士団を捨て駒に使うのはよ」


デスタ

「そうだな…ん?どうした?……わかったすぐ向かうとお伝え願う。」


カイユ

「どうした?また呼びだしか?」


デスタ

「たぶんそうだろう…先陣を切るんだ。それなりに作戦がいる…行ってくる。」


カイユ

「作戦なんてのは嫌いだ。まっすぐいきゃぁいい…そのほうが手っ取り早い」


デスタ

「戦いを有利にする為、部下を守る為だ。大事なことだぞ?お前にもいつか必要になる時がくる」


カイユ

「俺は己の体のみしか信じられないよ。いつも通りそういうのはお前に任せた。俺はロウガ達と呑んでくるよ!じゃあな!」


デスタ

「あぁ…」



●場転 間3拍



デスタ

「やはり…あなたでしたか。アネミナ姫」


アネミナ

「デスタ騎士団長…その、先陣を切らせるような事になってしまい…本当にすいません」


デスタ

「何を言います。傭兵団上がりの騎士団など…このような扱いをされるのは至極当然の事…そこそこ有名になりすぎましたな、フフッ」


アネミナ

「っ!……笑いごとじゃ…ありません…ルエホジアへの先陣を切るというのは…死ぬようなものです…難攻不落と言われたあの城は、我が国の精鋭でさえ…足元にも及ばなかった」


デスタ

「存じております。だからこその我々なのです」


アネミナ

「しかしっ!!!……身分は違えど、命に変わりはありません…それに」


デスタ

「お優しい方だ…何が何でも守りきらないといけないと思わせる」


アネミナ

「今からでも遅くはありません…お引きください。皆には私がお話いたします。」


デスタ

「なりません」


アネミナ

「お引きください。」


デスタ

「姫様……何故そのような…」


アネミナ

「………貴方に…死んでほしくありません」


デスタ

「姫様……人は誰しも死ぬ。逃げれば楽だろう、だがそれが自分とは違えども…結局他の誰かが犠牲になる。その誰かも家族や愛する者が居る。俺は…俺には何もない……」


アネミナ

「私が居ます…私の為に。死なないでください。」


デスタ

「姫様…何故そのようなことを……」


アネミナ

「貴方を…好き、だから…失いたくない…からです」


デスタ

「姫…………では約束しましょう。」


アネミナ

「?」


デスタ

「この身朽ちる時は、貴女様のお傍で、貴女様の大切な者を守り、朽ちる。」


アネミナ

「デスタ…」


デスタ

「守る者ができた私は…一段と強くなれそうです。必ず、生きて戻る。信じて欲しい。姫様」


アネミナ

「…………」


デスタ

「カイユもいる、部下達も成長している…斬り込み隊長のロウガもカイユ仕込みの強さだ…そして俺は…初めて大切な存在ができた。」


アネミナ

「デスタ……必ず…必ず生きて、帰ってきてください。私は…貴方を、愛しています。」


デスタ

「…私もです、姫様」


アネミナ

「……あ、アネミナと…お呼びください」


デスタ

「う……それは…また、今度」


アネミナ

「…絶対…ですよ?」


デスタ

「必ず。約束致します。姫様…これを」


アネミナ

「まぁ…これは?素敵なネックレス…姉妹なのかしら」


デスタ

「えぇ…これだけを子供の頃から今まで肌身離さず持っておりました。姉妹をイメージしたネックレスの様なのですが、ほら、ここ」


アネミナ

「あ、取れた…」


デスタ

「片方を愛する者が持つことによりまた引き逢うと言われています…こちらを持っていてください。」


アネミナ

「はい!大事にお持ちします…どうか……どうか必ずお戻りください」


デスタ

「必ず。では…」



そして運命の決戦の日がやってきました



デスタ

「出陣っ!!!」



ストーム騎士団五百…そしてルエホジア城を守るリヴィア帝国の総数…二万。圧倒的な数の違い。



カイユ

「あー…震えてきたぜ。楽しみすぎるなぁ相棒」


デスタ

「あぁ…久しぶりだなこんな感覚は……負けるかもしれない……思ったことあるか?カイユ」


カイユ

「ない!!!俺達は、強い!!!」


デスタ

「オアスに平和ぉぉおおお!!!いくぞぉぉぉお野郎共ぉぉぉおおおお!!!」


■SE大勢叫び声


カイユ

「作戦は?!デスタ!!!」


デスタ

「無い!!!!!まっすぐ突っ込み俺達二人で乗り込みかく乱する!!」


カイユ

「無いのかよ!だが……わかりやすくていい!ロウガァァァ!!俺達についてこいよぉぉおおお!!!」



それからの二人はまるで鬼神の如く暴れ、戦った。




デスタ

「しかし!!ぜぇ…ぜぇ…きりがない!!!なんだこの数は…これが2万か…」


カイユ

「はぁっ…はぁっ…はぁっ…きつすぎるが」


デスタ

「まだ…減らせる」


カイユ

「あぁ…まだまだだ!!」


デスタ

「カイユ!俺の両足を持て!!」


カイユ

「あ?どうすんだそんなことして!?」


デスタ

「オレごと振り回せ…巨大な剣と思えばいい」


カイユ

「なるほどな…相変わらず馬鹿みたいな面白いこと考えるぜ…俺の筋肉を信じてか…さすがデスタだ!」


デスタ

「よし、やれ!!!」


カイユ

「ぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおりゃぁぁぁぁああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」




■SE暴風



異様な光景だった、両足を持ちぐるぐる回る大男。回されている男は大剣を二つ構え更に振り回す。砂地であるそこには、巨大な竜巻が出来ていた。



デスタ

「よしっ!!!二百は減っただろぉ!!城に張り付いた!カイユぅぅう!!!そのまま俺を城壁の上までぶん投げろぉぉ!!!」


カイユ

「そぉぉぉおおおおおおいううううううことかぁぁああああああ!!!!いくぞぉぉぉぉぉお゛お゛おおおおおおおりゃぁぁぁぁあああああああああ゛!!!!!!いっけぇええええええええ!!!」


デスタ

「ぐっ…ううぅうぅ…!!!」


投げられた衝撃で転がり着地するデスタだが、一番に城に乗り込むことに成功していた



デスタ

「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」



息が上がりよろめきながら立つ、ふと周りを見ると、数百の敵兵に囲まれていた。



デスタ

「へへっ…ちぃっとばかし無茶したかな…だが、負けらんないんだよ。死ねないんだよ!!」



デスタはアネミナに渡したもぅ片方のネックレスを握りしめていた



デスタ

「ふっ……ふはは…ふっはははははっ!!!……死ぬのは怖いだろう?地獄へと落ちるのは恐ろしいだろう?……俺もだ…だから死にたくないやつは……今すぐに引けぇぇええ!!!!!」



デスタの気迫に敵兵はたじろぎ引き気味になった。デスタは暴れ狂った。敵から敵に飛び移り次々と敵兵を斬り吹き飛ばしていった。一方カイユは・・・




カイユ

「お、ようやく…本体が来たか。ここからならよく見えるな~…しかしロウガの野郎すげぇな。槍の陣とはおみそれするぜ…さすが斬り込み隊長」



城壁をよじ登りデスタの元へ向かおうとしていた。



カイユ

「よっと…よし、着いた。デスタは、と…あっちか。見つけやすいやつだ」



デスタの動きは、明らかに遅くなってきていた。飛距離は短くなり、剣も大振りになってきていた



デスタ

「うおぉぉぉぉぉおおお!!!はぁはぁはぁ…ぐっ!!しまっ─────」


■SE剣交


カイユ

「よぉ!待たせたな!お前さんの盾、到着だ。」


デスタ

「へっ…遅ぇよ」


カイユ

「しっかしだいぶやったなぁ…三百はくだらないんじゃないか?」


デスタ

「五十ぐらいまでは数えてたんだけどな…数える暇もなくなってきてな」


カイユ

「ひゅー♪さすがだぜ…ここからもぅ七百と行こうや」


デスタ

「本陣ももぅ城に取り付いてるころだろう…この内側の混乱、かなり効いてるみたいだな。」


カイユ

「よし、本陣を楽にさせるためにはまだまだ暴れねぇとな!気合いいれてお掃除しますか!!!」


デスタ

「休ませねぇな…ったくよぉぉ!!」



それからも二人は戦い続けた。この内部からの二人の攻撃は、敵に大きな混乱を与え指揮系統が崩壊するほどであった。デスタの猛攻のあとカイユが盾となり守りながらも戦う。二人のコンビネーションはすさまじく、あっという間に城最上部を占拠した。



カイユ

「はぁ…はぁ…はぁ…やったなデスタ…本陣も城内部に侵入する頃だろう」


デスタ

「はぁ…はぁ…あぁ…それでないと困るな、へとへとだ」


カイユ

「相変わらず体力がないな?……だが…俺ももぅだめだ…外と合わせて二人で千五百ってところか」


デスタ

「そんぐらいだろう………なぁ…カイユ」


カイユ

「あ?…なんだ?…疲れてんだ……休もうぜ」


デスタ

「一言ぐらい…言わせろよ……」


カイユ

「わかったよ……なんだ?」


デスタ

「お前がいなきゃ死んで…た…ありが…と…な……」


カイユ

「ぉう…それは…普通に、照れるじゃないのよぅ」


デスタ

「なんだ…その……喋り…かた……あ、悪ぃ…無理だ…すまん」


カイユ

「ん?…おい…デスタ?おい!おいっ!!!デスタ!死ぬなよ!?デスタ!!!」


デスタ

「ぐー……ぐー……」


カイユ

「ね…寝やがった……全く…まだ戦争中!敵城の中だっつーの…敵来たらどうすんだ」



ストーム騎士団による奇襲によりかく乱した、ルエホジア城を守るリヴィア軍は撤退した。オアスは圧倒的な強さをみせつけ勝利した。



2日後




デスタ

「…ん……んん?……ここは…どこだ…ベッド?ん?夢?」


アネミナ

「おはよう、デスタ」


デスタ

「ん?アネミナ姫…………ぅあ!?姫様っ!!!ご機嫌麗しゅうに!!!!」


アネミナ

「………っぷ…ぁっはっはっは!!」


カイユ

「何寝ぼけてんだ~?デスタ」


デスタ

「へ……カイユ…おはよう」


カイユ

「おはよう。じゃねぇよ…丸二日も寝やがって…」


デスタ

「そ、そんな寝てたのか…俺…」


アネミナ

「えぇ…城内でお二人を発見した時はだめかと思いました…」


カイユ

「まだ敵兵がうろうろしてたから二人してその辺の死体に紛れて死体ごっこしてるところを姫さんに見つかったってわけだ」


アネミナ

「えぇ…あの時のことは────」


カイユ(被せて)

「姫さんすげぇ叫んで崩れ落ちて泣いてたんだぜ?そんな!!デスタっ!!!…って」


デスタ

「え」


アネミナ

「ちょっ!!カイユさん!!もぅ!!言わない約束だったのにぃ!!!」


カイユ

「んで俺が「こいつ、寝てるだけですよ」って言ったらもっと泣いてよぉ?あぁもぅ…けなげですなぁうんうん」


アネミナ(被せて)

「あーーーーーわーーーーーこらーーーーーー!!!」


デスタ

「はははっそうだったのか……で?占拠はできたんですか?」


カイユ

「姫さん、説明」


アネミナ

「あ、はい。あなたが居るここが、長年難攻不落だった城、ルエホジア城ですよ」


デスタ

「と、いうことは…」


アネミナ

「はい。あなた達のかく乱のおかげで敵陣は大きく混乱。2万の統率の取れない兵は脆かった、我がオアス全兵力を持って撤退へ追い込みました。後に城内部からのストーム騎士団の攻撃により、城にさえ引き返せないリヴィア兵は城を放棄し、北へ撤退しました。完全に、我々が占拠しましたよ、デスタ。」


デスタ

「やったんですね…ルエホジア攻略」


アネミナ

「えぇ…あなた方の力です…よく、戻ってきてくれました」


カイユ

「ここが落ちたことで敵さんからは終戦協定が出された。これで数年平和だろうな」


アネミナ

「お二人とも…本当にありがとうございました。これから犠牲者達の葬儀がありますので私はこれで。安静にしててくださいね!また後で来ますね!デスタ!!」


デスタ

「あ…あぁ…」


カイユ

「なるほどな………ありゃ惚れてるな……そして…お前もなっ!!!」


デスタ

「う、うるさい!!」


カイユ

「ま、安静にしてろよ~?俺はロウガ達と呑んでくるから!!食い物そこに置いておいたから~またな~」


デスタ

「あぁ…ありがとうカイユ……そうか…ようやく平和がやってくるのか…よかった」



それからオアスは平和な毎日が続いた。争うことのない本来の幸せ豊かなオアス国として。


デスタとアネミナは結婚し二人の姉妹を授かった。デスタはアネミナにそっくりな二人に【ネイア】・【ミアナ】と名付けた



二人の成長に幸せを感じていたそんなある日悲劇が起こった




アネミナ

「え…リヴィアから千人を越える避難民が」


デスタ

「あぁ…国境の街ラリムにあふれかえっているそうだ…治安も悪くなり中には餓死者までも出ているらしい」


アネミナ

「こうはしてられません…ネイアとミアナをお願い、デスタ」


デスタ

「あぁ…それはいいがどうするんだ?!」


アネミナ

「人々が苦しんでいるのです、私だけが幸せでいていいはずがない」


デスタ

「向かうのか?せめて軍を率いて行ったほうがいい、なんなら俺が───」


アネミナ

「そんな時間はありません!私の使者達で食糧と薬を持っていきます。疫病が流行るかもしれない……ことは一刻を争います。では」


デスタ

「あぁ…俺は子守か。よちよちよちー良い子でちゅねぇぇ~」





デスタN

この時、俺だけでも…ついていってやればよかった…無理にでも止めていればよかった…平和ボケし始めていた頭には警戒心が足りなかった。今でも後悔しかない…脳裏によぎる…お前の……あの姿が…アネミナ……




カイユ

「デスタっ!!!!リヴィアから開戦宣言が出されたぞ!あいつらルエホジアを取り戻すつもりだ!!」


デスタ

「え……今か…今知らせが入ったのか…それは」


カイユ

「ん?今だが?どうした……おい…アネミナはどこにいったんだ…おい、おい!デスタ!!!」


デスタ

「くっ…」


デスタN

俺は子を抱え、馬車を走らせた。カイユと四人でアネミナが向かったとされる国境の街ラリムまで、全力で馬を走らせた


カイユ

「その街に行ったんだな?!デスタ」


デスタ

「あぁ!数時間前だ…くそっ」


カイユ

「あそこはオアスとリヴィアの境目にある国境の街…何もないといいが。一応ロウガ達にも声をかけておいた。追っては来てくれるだろうが…」


デスタ

「嫌な予感がする…タイミングが最悪すぎる」


カイユ

「これもリヴィアの策…だとしたら」


デスタ

「それだ……くそっ!!アネミナ…無事でいろよ!」


数時間馬を走らせようやく街が見えてくる…が


カイユ

「おい…デスタ…あの旗は…」


デスタ

「最悪だ…リヴィア帝国だ」


カイユ

「難民も全て兵だったってことか…ここから今夜攻め入るつもりか…ルエホジアを」


デスタ

「……カイユ、この子たちを頼む。」


カイユ

「それはかまわないがお前、どうするつもりだ!?一人で行っても死ぬようなものだぞ!」


デスタ

「街の方から入る…あの数を一人で戦おうとは思わない…」


カイユ

「あぁ…無茶、するなよ?ちゃんと帰ってこいよ?」


デスタ

「あぁ……すまない、カイユ」



デスタは兵士達に気づかれぬように兵士がいない街の反対方向から街に侵入した。



デスタ

「…難民、飢え。なんてのは大嘘だ……街ぐるみで戦争の準備をしてやがる。5千は居そうだな」



怪しまれないよう街人を装い。デスタはアネミナを探した……



デスタ

「ここが街の中心か…ん?……あ……あぁ…」



デスタは街の中心に人が担いで歩けるような大きな台座の上に居る人物を見ていた…それは…酷く変わり果てた姿の……アネミナだった



デスタ

「あぁ…ぁ…ぁ…ぁ…」



アネミナは幾度も暴行され凌辱されたであろう姿で倒れていた



デスタ

「ぎ……ぎ…ぎ、ぎぎぎ、ぎぃざばら゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁあ゛あ゛ああああああああああああああああああ゛!!!!!!」



デスタは怒り狂い兵の武器を奪い近くに居た兵たちを斬り倒していった。

瞬く間に近くの兵たちを一掃したデスタはアネミナに駆け寄った



デスタ

「アネミナぁぁあ!!!!!おい!!生きているのか!!?アネミナぁぁあああ!!!」


アネミナ

「……ぅ…ぅう………で、スタ?……よ…かった……無事…で」


デスタ

「私の身を安じている場合か…アネミナ……立てるか?逃げるぞ!!」


アネミナ

「だめ…みた…い…ごめ…んね」


デスタ

「だめなものか!!何を謝っている!帰るぞ!!ミアナもネイアも待っている!!おぶっていくから…な…よっと、掴まれ」


アネミナ

「うん…アナタ…来て…くれ…て……ありが…とう」


デスタ

「勿論来るさ……お前の王子だぞ俺は。しっかり掴まれ、落ちてくる」


アネミナ

「うん……へへ…知って…た」


デスタ

「反対側から街を出よう。そこにカイユが二人をみて待ってくれている」


アネミナ

「うん…早く……あい…たい」


デスタ

「このマントをかぶれ…ばれるとまずい……ゆっくり行くぞ」


アネミナ

「……久し…ぶり…アナタの…背中」


デスタ

「ちっ…こっちにも兵がいやがる…道を変えるか…」


アネミナ

「また…カイユも…よん…で……みんなで…シチュー…食べたい…ね……」


デスタ

「喋るな…傷に響く………よし、こっちからなら出れる!もう少しだアネミナ」


アネミナ

「ねぇ……」


デスタ

「もう少しだぞアネミナ、もう少しだ。しっかり掴まれ」


アネミナ

「ねぇ……アナタ…」


デスタ

「喋るな…傷に響く」


アネミナ

「ふたりに……必ず…伝えて………ごめんね…って」


デスタ

「自分で言えよ?もぅ着く」


アネミナ

「カイユにも……ふたりを…おねが…い……しな…いと」


デスタ

「ほら!馬車が見えた!!もうすぐだからな、しっかり捕まれ」


アネミナ

「………デスタ……ずっと…愛して……います」


デスタ

「あぁ…俺もだアネミナ……愛している」




●間3拍





カイユ

「よく戻った!!デスタ!!!アネミナは!?」


デスタ

「ここだ…寝てしまっているがな」


カイユ

「おお!!そうか!!!よかった!ほん……とうに、よか……………くっ……うぅう…」


デスタ

「どうした?降ろすから早く治療をしてやってくれ」


カイユ

「うっ…うぅ…」


デスタ

「……ん?どうしたカイユ」


カイユ

「……すまない……デスタ…ぐっ…う…それは…治療は……できない……」


デスタ

「何泣いてるんだよ!早く治療してやらないと─────」


カイユ

「なぁ…デスタ……アネミナは………もぅ…死んでるよ」


デスタ

「……………え」


カイユ

「うぅ…ぐっ…ううぅ」


デスタ

「なぁ…おい……アネミナ……返事をしてくれ……さっきまで話してたじゃないか……なぁ…なぁ、二人に声をかけてやってくれよ…ミアナもネイアも…お前を待ってたんだよ……なぁ……っう…うぅう…アネ……ミナ……アネミナぁぁぁああ!!!!!!!」


●SE雨


カイユ

「このままここに居るのはまずい…引くぞ…デスタ……オアスに戻り、アネミナを埋葬してやろう」


デスタ

「…………」


カイユ

「デスタ……」


デスタ

「二人を……アネミナを頼む……カイユ」


カイユ

「お前……どうする気だ………まさか……死ぬ気か?」


デスタ

「…………」


カイユ

「だめだ、死なせない。お前まで死んだらこの子たちはどうなる!!アネミナの唯一の繋がりのこの子たちは…親を亡くしてどう生きる…俺は育てねぇぞ!?お前が責任を持って育てろ!!そしてこの子たちに伝えてやれ!!!……母親は…とても強かったと………」


デスタ

「…………カイユ……俺は…もぅ…どうしたらいいか……戦う意味すら、わからなくなってしまった…」


カイユ

「デスタ……俺の知ってるデスタは…どこにいったよ!!!平和が続いて脳味噌まで鈍ってしまったか!?あの軍隊一つを相手に俺達二人だけじゃ勝てるはずがない!!ましてやこの子たちを守りながらだ…今は退くしかない!退くのも勇気だ!!わかるな?」


デスタ

「わからない……この怒り、この悲しみ、もぅ俺は…アネミナを失った俺は…何をすれば……」


カイユ

「……馬鹿野郎が」


デスタ

「………」


●SE近づく足音


カイユ

「立て」


デスタ

「………」


カイユ

「あぁあああ!!!」


●SE殴る


カイユ

「……立て」


デスタ

「………」


カイユ

「足腰に力も入らないのか…腑抜けめ……くそっ!!こんなことしてるから…ついに来ちまったじゃねぇかぁ追ってがぁ!!どうしてくれんだ!!!デスタ!!!!」



N

カイユはデスタとアネミナを馬車に無理矢理放り込むとオアスに向け走らせた



●間3拍



カイユ

「…まずい……馬車だと追いつかれるな……ロウガもこちらに向かっているはず……デスタ!!手綱を持て!!!しっかり座れっ!持つぐらいしろよぉぉ頼むからあああ!!」


デスタ

「……あぁ……」


カイユ

「このままオアスまで全力で走れ。ロウガと斬り込み隊はこちらに向かっている…合流してオアスに入れ。ここは俺が食い止める…しっかり守れよ……その二人はアネミナの最後の希望だ」


デスタ

「なっ……カイユ!!!!」


カイユ

「さぁ……武装はないが……やってやろうじゃねぇか……この身つきるまで食い止めてみせる」



●間3拍



N

デスタはその後ロウガ率いる部隊と合流しオアス国に入った。ロウガはカイユの加勢にとカイユの元へ急いでいた…その間にも……リヴィア帝国軍はルエホジア城へと軍勢を向けていた



デスタ

「この子たちが無事でよかった……俺は……何をしていたんだ……カイユを置き去りにして…何をしていたんだ…くそっ…くそぉ!!!アネミナを失い…友までも失ってしまったら…俺は、俺は!!」



N

アネミナの死は、オアス国に知らされ瞬く間に広まった。


次の日


デスタは軍を率いてルエホジア城へと向かおうとしていた



デスタ

「今からでも間に合うはずだ…カイユ、無事でいてくれよ…」


●SE大きな扉開く


カイユ

「……戻った…ぞ、デスタ」


デスタ

「カイユ!!!無事だったのか!!!!!よかった…ロウガは!?」


カイユ

「あいつはまだ……ルエホジア付近で戦ってる…それより、デスタ…ルエホジアは落ちたぞ」


デスタ

「なっ……1日で落城したというのか!!?」


カイユ

「リヴィアのやつら騎士団長も含め全軍で攻めてきやがった…あの勢い……ここまで来るぞ…あの騎士団長……あいつだけは…あいつだけは忘れねぇ……二ヤついてやがった…アネミナを葬れたことを歓喜してやがった……」


デスタ

「くっ……ならば戦いに────」


カイユ

「開城したほうがいい、オアスは負ける」


デスタ

「なんだと?…お前らしくもない…何を根拠にそんな」


カイユ

「8万」


デスタ

「なっ…」


カイユ

「城から見た感じそれぐらいだった…あと、見たこともない巨象に先陣を切らせていた…獰猛で突進することしかできない岩のような巨象に……あれだけでルエホジアは混乱した。そこに更にアネミナ死亡の噂が流れた…士気は下がり……逃げていったよ、兵たちは」


デスタ

「しかし!…オアスを見捨てることなど……ありえない」


カイユ

「何回も言うがな…デスタ。退くも勇気だ…命を無駄にしてはならない。開場すれば虐殺もなくなる。戦争も終わるんだ…機を待つんだ……俺達にはまだ希望がある。わかるか?」


デスタ

「希望?……この子たち…か?」


カイユ

「あぁ…俺は必ず……アネミナの意志が宿されていると思うよ」


デスタ

「カイユ………わかった……王にも伝える…お優しい方だ…開城にもご決断くださるだろう」



カイユの、デスタの想いをオアス国王は汲みとり、開城することが決まった……戦争は終わった。リヴィア帝国の大陸制覇は成された……が。


カイユ

「よ、デスタ…呑まないか?一緒に…」


デスタ

「ん、カイユか。あぁ…久しぶりに呑むか」


カイユ

「おう、ほれ…乾杯っ」


●SE木が当たる


デスタ

「んっ…んぐっ……はぁ……久しぶりに呑んだな…酒も、美味いもんだな」


カイユ

「だろ……デスタ話がある」


デスタ

「暗殺の件か」


カイユ

「知っていたか……リヴィアが反乱分子を確実に減らす為に騎士団長のみを狙って暗殺を計画しているらしい…すでにオアスの騎士団長のみ4人殺されている」


デスタ

「俺も時間の問題ということだな……」


カイユ

「じきに来るだろう……なぁデスタ……エフナ大陸に亡命しないか?生きていればなんとかなる、機を待ち、リヴィアへの復讐を果たそう」


デスタ

「いや……もぅいいんだ…カイユ…本当にすまなかった…迷惑をかけた…俺の首で済むなら…構わな…い………あ…れ…急…に」


●SE倒れる


カイユ

「……そういうと…思っていたよ……だから酒に毒を盛った…二日は目覚めないだろう……ロウガ、頼む」



カイユとロウガはデスタを運びオアスの港にある船に乗せた…


カイユ

「よし……ロウガ、あとは頼む……お前にはまだまだ教えることはあったが。これまでだ。騎士団はここで解散する。じゃあな!生きろよ!!」


カイユは舟を出した……帆を漕ぎ続けながら眠り続ける3人を見ていた


カイユ

「俺が守らないとな……この3人は…俺が……そうか!母親代わりにでも、なるかぁ?はっはっはっ!我ながら名案だ!!…違うな……ん私とってもいいこと思いついちゃったわん♡……か!はっはっはっはっは!!……は…はは……くっ…うっ」


カイユは一人喋りながら……泣いていた……悔いていた…アネミナを守れず、オアスまでも開城させたことに…敗北したことに…デスタを消沈させてしまったことに


エフナ大陸は戦争が起きない…その噂を聞いていたカイユはデスタと子供たちを連れ大陸を渡り亡命した。薬で眠らされていたデスタは起きると違う大陸に居た。カイユに説明されたデスタは無言で子供たちをみながら頷いていた。


カイユ

「デスタ…。また1からやり直そう……この平和な大陸で、この子達を守り幸せにしてあげよう…な?」


デスタ

「あぁ……ありがとう…カイユ」


カイユ

「お前は、お前達は俺が守る」


デスタ

「すまない…俺も何か仕事…みつけないとな……」



新たな住居を設けようにも資金が無かった。カイユが持ってきた硬貨はこちらの大陸では使えるものではなかった。



カイユ

「まいった…一文無しだ……寝床もなし仕事もなし……どうしたものか…ん?」


その時、デスタがとあるチラシを見つめていた


カイユ

「おい、どうしたデスタ?何て書いてある」


デスタ

「第1回ヘッドハンターズ開催…だとよ……首狩り大会って……この大陸…平和じゃなかったのか?カイユ…」


カイユ

「な…なんだこれ……」



カイユはデスタのチラシを奪い読み上げた



カイユ

「エフナ大陸のそれぞれの国から代表者を5人選び戦う…優勝した国は1年間大陸統一?!なんだこれ…無茶苦茶だ……しかし………これか?平和の理由は…この大会があるからこそ戦争は起きず、少数精鋭のみをぶつけて犠牲を少なくして解決させる……これがエフナ大陸のやり方なのか…すげぇ…すげぇよデスタ!!」


デスタ

「力のみで解決する国じゃないか…なんたる野蛮……だが?」


カイユ

「これは」


デスタ・カイユ

「やりがいがあるな」


デスタ

「しかし…子供たちをほおってはおけない……そうか」


カイユ

「教会を探そう…俺達がそうであったように…」


デスタ

「アネミナが愛したように……」


カイユ

「あぁ!」



教会に訪れ理由を話すと、それならば、と快く引き受けてくれた



カイユ

「話はつけてきたぜ!二人を預かってくれる……今までと同じだ…戦い、勝った報酬を教会に寄付する条件でな!」


デスタ

「ネイアとミアナには…せめて戦争の無い国で幸せに過ごしてほしい……影ながら見守り、この国の為に戦おう…カイユ」


カイユ

「おう!また二人で暴れようぜ!!デスタ!!!」


デスタ

「チーム名…考えないとな……暴風…チームストームか?」


カイユ

「んー…あ……前よりもっと…でかくいこうぜ?大暴風雨……テンペスト!!どうだ!」


デスタ

「お前…天才だな」



5人までの出場を認められる中…デスタとカイユのチームテンペストは2人で国内予選に出場。危なげもなく見事国内予選に優勝したのである。


そして開催される…第1回ヘッドハンターズ



カイユ

「おし、いくぞ!デスタ!!」


デスタ

「おうっ!カイユ!!」



デスタとカイユ、チームテンペストは…5連覇を成し遂げた













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LIVING BY NECK HUNTING sidestory THE GREAT TEMPEST SEN @sensensenkou

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