第41話 回復
「止められたか…」
闇の中で1人、彼?は呟く。
あれは間違いなくネヴィルスだ。あいつの忌々しい権能がはっきり見えた。
あいつ、ことごとく邪魔をしてくる…
憎い…憎い憎い憎い憎い!
だがしかし、分からない事がある。
どういうことだ?あいつに権能を破る力なんてない。あるのはあの忌々しい赤龍だけ…。
まさかあいつが生きてるとでも?
それこそありえない。
だってあいつは昔、僕が呪いをかけたのだ。
絶対に解除できない、僕の1番強力な、怨念をたっぷり込めた呪いだ。それでとっくに死んだはずなんだけどな…。
では、なぜ僕の権能が破られた?
分からない…分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない!
許せない…僕の邪魔をしたやつ、絶対に…。
闇の中で1人、彼?は呟く。
狂乱としか呼べない思考、そして行動。
彼?は一体何がしたいのだろうか。
否、何をしなくてはならないのだろうか。
魔王殿 レインの部屋
うん…?
ここは、俺の部屋?
「お目覚めになられましたか、レイン様。」
重いまぶたをどうにか上げて隣を見ると、ラースがいた。
あれ、俺はどうしてここに…?
《おはようございます、マスター。久しぶりに休めましたか?》
ラティル、どういう状況だ?
《マスターは魔力を使い果たして倒れました。そのため魔力が回復するまでずっと眠っていたんですよ。》
なるほどな。
…そうだ、思い出した。
あれからどうなった?災厄の権能は?世界はまだ無事なのか?!
《…正直分かりかねます。ですがまだ被害の情報が私の元には届いていませんので、おそらくは成功したのではないかと…》
そ、そうか…。
悪い、少し焦ってしまった。
成功したのなら、よかった…。
俺は一日半ぶりに覚醒した。
心配そうに付き添うラースと共に、眠っていた間の遅れを取り戻すべく王の間に向かう。
長い廊下を渡り重い扉を開けると、いつものように、何も変わることなくカミナを始めとする配下達が、俺の訪れを待っていた。
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