第239話 本当なのか? 嘘なのか?(18)
どころか?
「おさむ君~。やめときさいや~。ただでお姉さん達にやるのは勿体無いから~」
そう、山田瞬は常日頃から、おさむ君に対して、このような諫め、静止。若いお姉さん達に己の無い尻尾をフリ、フリ、振って、媚び諂う様子を「おさむ君、ただやるのをやめときさいや~」と告げながら。おさむ君がお姉さん達にミツグ君をする行為をやめるようにと諫めているから。
ちくわのおじさんこと、たぬきの御老体の時のように、不快感を募らせるということはないのだが。
只おさむ君……。
と、いうよりも?
おさむ君の妹さんや義理の弟さん、甥っ子さん達に対して。
『悪い』、『悪い』、『悪い……』と、嘆くのだよ。
だからだろうか、山田瞬と、いうか? 山田夫妻は、
「お兄さんとお姉さん達……。今日も牡蠣のお客さんを頼むよ。元気良く声を出して呼び込んでよ。お兄さんとお姉さん」と。
おさむ君の妹さん達に、元気良く! 威勢良く! 呼び込みをしてくれと嘆願をされれば。
「はい! お任せください! お姉さん!」と。
山田瞬は己の胸を『ドン!』と、叩いて返事──。
それに釣られて、と、いうか? おのれの主人、殿さまの台詞に続くように、おさん狐さまも。
「あい~。お姉さん~。分かりました~。わらわにお任せあれ~」と。
女神、天女の、大変に有り難い微笑みを浮かべながら快く引き受ける。
と、いう行為を山田夫妻は、良くしているぐらいおさむ君とは、気軽なおつきあいをしている間柄なのだ。
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