第232話 本当なのか? 嘘なのか?(11)
そして時間(とき)だけが只過ぎていく。と、言うことはないか?
だって山田瞬は、おさん狐さまの主らしい振る舞い。己の家族を養う為の最低のノルマ……。
そう、彼が夫婦で相談しあって決めている。その日の売り上げの最低のノルマは、己の人の流れを見る目と販売トークとで、ちゃんとこなしてみせているから。
山田瞬の妻である、おさん狐さまは大変に嬉しそう。
「ふふふ~、瞬、お疲れさま」と。
女神の微笑み、と、言うか? おさん狐さまは、この日の本の地霊、神巫女さまだから。天女の微笑み、と、呼んだ方が良いのかも知れないね。
まあ、そんな、おさん狐の天女の微笑みと労いを貰い受けた山田瞬の方も、『今日も満足、満足』と、自身の心の中で思い。お互い……。夫婦仲良く。
「おさん~、今日の夕飯は何~?」と。
山田瞬がおさん狐さまに訊ねれば。
「ん? 今日は、瞬の大好きな、魚の煮つけにしようと。わらわは思っているのだが? 瞬は他の物……。肉料理の方が良いかのぅ~?」
と、答え、たずねる。
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