第229話 本当なのか? 嘘なのか?(8)

 まあ、その都度、おさん狐さまの御主人さまである山田瞬から。


「おじさん、ええかげんにしんさいよ。いくら冗談にしても。家の嫁。おさんの、乳が本気で揉みたいと思ちょるんならぁ? わしゃ、本気で怒るけんねぇ。おじさんのことを」と。


 大変に重たい口調……。




 そう、彼とおさん狐さまの古里である広島の方言である【広島弁】を使用しながら『一喝!』したことが一度……でなくて(笑)


 何度かある武士でね。【竹輪のおじさん】は。だから今日も『山田の嫁さんはべっぴんやの~。儂も齢九十二歳まで生きてきたが。山田の嫁さんよりもべっぴんさんを見たことがない』と毎日の如く褒めまくる。


 う~ん、でも、今日は? 先程も説明した通りで、山田瞬の『この世の者とは思えないほど美しい』妖狐の、おさん狐さまが、お仕事お休みで。山田瞬の付き添いでいないから。


 たぬきの御老体こと坪田御老体の口から【セクハラ】言葉こそではしなかったが。

 それぐらい、妖艶で艶やかな、おさん狐さまだからね。


【おさむ君】いや【おさむちゃん】もね。山田瞬の、おさん狐さまを始めて凝視した時は驚愕──!


「誰や~? この女~?」と。



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