第213話 2020年三月前後?(14)

 そう、自身は、女王おさんの、忠実な僕……心の芯まで傀儡されている者だから。女王おさん、へと近寄るオス達に対して、ついついと嫉妬心を募らせ帰宅後には。女王おさんの、ことを自分自身は心から慕い愛しているから。ぐちぐちと、女子(おなご)みたいな振る舞いをするだけ、なのだから許して欲しい女王おさんさまと。


 山田瞬は悲痛な表情と容姿……。両目の涙を一杯溜め流しながら女王おさんさまへと、性玩具(おもちゃ)の如くへりくだってくる。


 また日の本西の妖怪の長イコール女王さまであるおさん狐さま自身は?


 自身の主である王が、妃へとへりくだり許しを乞う姿を凝視するのは大変に遺憾! 良い気はしない……ことはない。


 彼女は大変に満足! 上機嫌になる。


 となれば?


 今迄、自身の金色に輝く瞳を濡らし。『しくしく』しながら。


「帰る~。帰る~。妾は帰る~」と。


 山田瞬へと不満を漏らしていた、おさん狐も、自身の泣き濡れた顔がほころび緩む。でッ、その後彼女は?


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