第212話 2020年三月前後?(13)

 だからおさん狐さまも、夫の幼子のような嫉妬心と独占欲……。


 自身の妻が物の怪の世界と社会でどのような立場なのか、いつまで経っても山田瞬は理解をしてくれないので。日の本西の太后殿下は、堪忍袋の緒が切れた。


 そう、夫の我儘に対して耐え忍ぶこと自体が、彼女にはもう限界……。


 だっておさん狐は、何度も説明をするのだが。日の本西の大妖怪の上に、太后殿下さまだから。


 いくら女王の夫であろうとも、国の政。政治を邪魔する者は、夫であろうとも許さないから。


 自分自身へと泣きながら謝罪──。


「頼むから、おさん~。僕を見捨てないで~! こんなにも僕はおさん、のことを愛しているのだから~」と。


 そう、相変わらず大量に涙を流しながら。他人が見れば、『おたく達夫婦は、可笑しな性癖があるようだが。本当に大丈夫なのか?』と思い。告げられそうな様子である。


 おさん狐さまと山田瞬のSM的な様子である。


 山田瞬の妻への媚びる態度と様子なのだが。彼は相変わらず、おさん狐の雪のように白い足や甲、裏などに頬ずりしては許しを乞う姿……。


 そう、自自身は、女王おさんの、忠実な僕……傀儡されている者だから。女王おさん、へと近寄るオス達に対して、ついついと嫉妬心を募らせるだけだから許して欲しい。



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