第214話 2020年三月前後?(15)

「本当に? 本当に? 反省をしているのか? 瞬?」と。


 自身の主に訊ねながら。それも? 自身の頬を濡らす涙を『グスン、グスン』と泣き癖を漏らし、拭きながら更に。自身の小さくて華奢な足の甲や裏、踵を使用して主である山田瞬への顔へと『グイグイ』SMの女王さま的振る舞いをおこないながら訊ねるのだ。


「はい。二度と逆らうような事はしません……。僕は、おさんがいなくては生きていけない。女王おさんの、忠実な僕なのですから。女王おさんさま、どうか? この哀れな僕はお許しください。お願いします……」と。


 山田瞬は相変わらず、自身の妻であるおさん狐さまへと、へりくだりながら嘆願……。


 自身の頬をおさん狐さまの小さくて華奢な足へと頬ずりを続ける。


 ……だけではなく。


 おさん狐さまの足の甲や裏、踵へとキスの雨嵐まで降らせながら、自分の愛情心と充実心とを魅せつける。


 と、なれば?


 おさん狐さまは歓喜──。


 自身の夫イコール王さまを自分の妖艶さと官能的な容姿で傀儡……。忠実な僕にしたのだから嬉しくて仕方がない。


 だから彼女の雪のような白い色をした頬が桜色に染まる。


 彼女の喜び、歓喜の余りにね。発情をして染まってしまう。


 と、なれば?


 我慢ができなくなった女王さまは?


 自身の身体を優艶に『クネクネ』と、蛇のように妖艶、官能的に動かしながら。


「王よ~! 妾に今直ぐ~。優しく~。尽くしなさい~」と。


 王さま……。山田瞬の思惑通りに行動──。数時間後に女王おさん狐さまは、「ああ~。王よ~。我が主さま~。妾を捨てないでおくれと~」と歓喜の声を優艶に嬌声と共に漏らす。王さまの忠実な僕と化している状態で致し方がない御二人……。




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