第123話 マスク(25)

 だから今自身の妻が説明をしてくれた大変に恐ろしい謎のウイルスがA国やC国を中心に世界中に広まりそうな恐ろしい話しを聞いても彼は、坪田御老体や大島のオジサン達のように。おさん狐さまの甘い妖声で、自身の脳内を蕩けさせてはいないから、直ぐに思案ができる。こんな感じでね~。


(う~ん、おさんが言うには、本当に海外……。特にA国やC国を中心に大変なことが起きているようだね……)


 と、思うし。これ以上のこと……。


『おさんの、A国とC国の物の怪(知り合い)って、誰だ~?』は、思わないことにするのだ。


 だって彼は~? 早朝──。車内で、嫉妬心をあらわにしながらおさん狐さまと口論……。それがきっかけとなり。山田瞬はおさん狐さまへと愛の告白……。自分だけの妻(もの)……。伴侶になって欲しいと嘆願して、彼女から良い返事~。了承を得た訳だから~。もう自分の妻を悲しませたくはないので~。これ以上のことは思わないようにしたのだよ。


 う~ん、でもね~? 山田瞬の妻であるおさん狐さまは、そうは~、いかないみたいだよ~?


 だって~? 直ぐに~? 和の国の女神さまは~。自身の妖力を使用して~。


「(瞬~? A国はビッグフッドで~。C国はキョンシ~だよ~。だからわらわのことは心配しなくてもよい~。わらわは~。瞬だけの所有物だから~。気にしないでおくれ~。あなた~)」


 と、甘くて淡い官能的な声色で告げたのだ。



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