第118話 マスク(20)
でッ、山田夫妻に紙マスクを手渡し、お礼を告げられた。ニヒルな大島のオジサンはと言うと?
未だ2020年の初売り──。一月頭の一桁日にちなのに~? マスク警察の如く振る舞いで。販売をしている者達へと、『マスク~! マスク~! マスクをしないといけないよ~! 大変な病気にかかるから~』と。先程迄彼は、口煩くしながら叫び──。同じ販売業者の者達に、紙マスクを手渡していた行為をやめて──。やはり『ホンワカ~』と、自身の顔を緩ませ、おさん狐さまの、女神の微笑みに魅入られているのだよ。先程迄の荒々しい表情は影を潜めてね。穏やかな表情……。
まあ、そんな彼に、自身の妻である、おさん狐さまの機嫌が直ったと山田瞬はわかると。
「大島のおじさんは、去年の年の瀬も、みんなに危険だから、紙マスクを着用するようにと告げていたし。先程、家のおさんにも、海外の様子はどうか? と、訪ねていたけれど……。そんなに大変なことになっているのですか? 外国は……?」
と、訊ねたのだよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます