第111話 マスク(13)

 だから山田瞬は、『致し方がない』と、観念をするのだよ。


 う~ん、でもね~? 山田~?


 自分の夫から『本当に僕の子供~?』と、無責任なことを思われた女性に対して、『致し方がない~』は、ないとは思うぞ~?


 特に妊娠初期の女性は、ホルモンのバランスも中々安定はしない。


 だから妊娠中毒症状等を発病することもあるぐらい精神的に不安定になることもあるのだよ


 なのに~? 君は~?


 自身の妻である、おさん狐さまに対して、『致し方ない~』と思った訳だから~?


 今後彼女の様子が急変すると我等は思うのだが?


 一体どうなるのだろうか~? 二人は~? と、我等が思うと同時に。


「(もうよい~。瞬~。わらわは~。瞬に、そんな言い方をされるぐらいならば~。自分の国の屋敷へと帰る~。もう~。二度と瞬の顔など見たくもない~。それに~? 瞬には~。我が子も見せぬし~。触らせもしないからなぁ~)」と。


 おさん狐さまは、母となった女性の強さを前面に出して、山田瞬へと強気の発言──。


 そんなに妻の申す事が信用できず。気に入らないならば。妖怪達が住むと言われている黄泉の世界へと戻ると告げてきたのだよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る