第103話 マスク(5)
まあ、そんな仲慎ましい様子の二人に対して、大島のおじさんは、今度はこんな言葉を告げてくる。
「ほら~。山田君と奥さんにもマスク~」とね~。
だから山田瞬は……だけではないね~?
2020年の新年の朝を迎えてからの山田瞬の側……。初詣、ショッピングモールへの初売り買い物……。
そして今、山田瞬がおこなっている初仕事の側にも常に、おさん狐さまがいるのだから二人だったね~。
特に山田瞬の後方で、日本の妻らしい振る舞いで控えている、おさん狐さまなのだが?
彼女は妖狐だということもあり。自分の男性(物)に対して独占欲が大変に強いのだよ。
だって~? 朝の五味の市迄の、出勤の車内の最中での、山田瞬の、おさん狐さまへのプロポーズ……。
それを快く承認した後に、おさん狐さまは山田瞬に、「瞬よ~。もしも、お主が、わらわ以外の女性に浮気心を湧かすようなことをすれば~。その場でわらわは、瞬を食い殺して~。完全にわらわだけの物にしてしまうからな~。よく肝に命じておくように、瞬よ~」と、脅しをかけているほど好いているのだから。
彼を長く一人歩きをさせることはない。
だから常に一緒だから、二人はね~。
まあ、そんな二人に大島のおじさんは、2019年の年のクリスマス後……。年の瀬、三十日迄、毎日山田瞬へとおこなった紙マスクの配布、差し入れ……。
今日の新年の初仕事の日もおこなってきたのだよ。
紙マスクを二枚持ってね~。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます