第97話 新年早々縁起の良い? 狐と狸の化かしあい?(17)
タヌキの大妖怪がおこなった商品の説明と嘆願の最中では、「う~ん、う~ん」と、自身の眉間に皺を寄せ、両手を組み悩んでいた筈なのに。
たぬき寝入りの如く、彼の妖力を込めた気弱な泣き言……。
「購入をしてくれ~」と、お客さま達は嘆願されれば。
「う~ん、致し方がない……」と、声を漏らす者達がでる。
また、でると同時に?
「仕方がないの~。おじさん~。儂も牡蠣の佃煮を買うわ~」
「あっ! うちも~。一つちょうだい~。おじさん~」
「あっ! 俺も~!」
「私も~!」
「僕にも牡蠣の佃煮をください~。オジサン~」と。
タヌキの大妖怪こと坪田御老体の販売ブースに集まり。試食をしていた老若男女……。未だ幼い子供達も含めて。最初の一人の購入希望を聞き──。
連鎖反応……。
お客さま達が次から次へと購入をしていくのだよ。
坪田御老体の凛とした威厳と押しに負け……。
そう~、まるで~?
彼の放つ、妖力に魅かれように購入~。
だから我等は、坪田御老体のことをタヌキの大妖怪と呼ぶのだよ。
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