第94話 新年早々縁起の良い? 狐と狸の化かしあい?(15)
「へぇ~。おじさんが炊いたのか~?」と。
彼、彼女達は、言葉を返しながら。牡蠣の佃煮が入った器へと視線を変え──。
そのまま、牡蠣の佃煮の入った器の近くに設置してある爪楊枝へと手を差し伸べ──。指先で爪楊枝を握り。牡蠣の佃煮の試食を『ブス~』と刺して、自身の口へと運び、添える。
すると? 彼、彼女達の顔は緩む……と、同時に。
「どうや~? 日生の牡蠣は、身が大きいから美味いだろう~?」と。
タヌキの大妖怪坪田の口から、お客さま達へと問いかけの言葉が放たれる。
「うん、美味い~」
タヌキの大妖怪坪田の妖力を込めた問いかけに対して、彼等、彼女達は直ぐに絶賛の言葉を漏らす。
また、それを聞き大妖怪坪田は、『ニヤリ』と、自身の口の端をつり上げながら微笑をするのだよ。
彼等、彼女達が、自身の妖力を込めた販売トークのマジックに陥っていることが確認できた。
だからタヌキの大妖怪である坪田御老体は、その後自身の思惑通りの販売トークでことを進めていくのだ。
こんな感じでね~。
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