第84話 新年早々縁起の良い? 狐と狸の化かしあい?(6)
「おさん~! お客さまが持っている商品を袋に入れて差し上げて今直ぐに~」と。
おさん狐さまへと催促──。
すると彼女は? 我に返り。慌てふためいた様子で。
「ありがとうございます~。またの御ひいきを~」と。
自身へと商品を持ってくるお客さまの商品を、丁寧に袋に入れ──。お金を受け取りながらお礼を述べていくのだよ。
でッ、そんな様子の新妻さまを山田瞬は、先程迄の拗ねた硬い表情から。自身の顔を緩ませ、御日様のように微笑み見詰めるのだよ。
本当に嬉しそうに~。初売り早々から自分自身の夢が叶うのだから。いくら彼が嫉妬心から硬い顔をしていようが。自身の顔を緩ませて微笑んでしまうよね~ッて、我らが独り言のように呟いても。
この物語を読んでいる者達にはわからないと思うから少々説明……。
う~ん、実は、山田瞬には? 自身の御店の看板娘になるような美しいお嫁さんをもらって。二人仲良く商い……。行商をして回るのが夢だったのだよ。
それが今現実に叶っているのだ。
それも? 自身の想像を超すような、超がつくほどの美人……。
おさん狐さまだから嬉しくて仕方がないのだよ。
また、こうリズムが良くなると、周りの空気──。気の流れも新年早々良くなる。
ましてや? 山田瞬の真横に、和気藹々と並ぶ大妖狐の、おさんはさまは、地方によっては、商売、金運の神さまとして祭られている狐の神さまだから縁起がいいのだ。
だから本物の『あげまん』を嫁にした山田瞬の売り場には、神化した、おさん狐さまを一目見て拝もうと……ではなく。
二人が販売している商品購入の為に、お客さまの長蛇の列ができる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます