「おさんと言います～。今後は主人共々、宜しくお願いします～」

　山田瞬の、御老体の娘さんへの結婚説明に続くように。正式に彼の妻となった、おさん狐さまの口から、御老体の娘さんへと深々と頭を下げかしこまった丁重な挨拶がおこなわれたのだ。

　そんな妖狐さまの様子を坪田御老体の娘さんは見て確認をしながら。

「いやいや、こちらこそ宜しくねぇ～。おさんさん～」

　と、笑みを浮かべながら告げる。

　そしてまた直ぐに、自身の口を開いて。

「御二人ともお幸せに～」と。

「新年明けましておめでとうございます～。今年もどうぞ宜しくお願いします～」

　山田瞬とおさん狐さまに対しての結婚の祝いの言葉と、新年の挨拶をしてきたのだ。

「明けましておめでとうございます～。主人共々～。今年もどうぞよろしくお願いします～」

「お姉さん～。ありがとう～。そして～、明けましておめでとう～。今年はおさん共々よろしくねぇ～」

　坪田御老体の娘さんの二人への結婚の祝いの言葉と、新年の挨拶を聞いた新婚ホヤホヤの二人は、大変御機嫌良く、嬉しそうな声色で言葉を返したのだ。

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